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#続・アイツには気をつけろ!(夏目)




『つーわけで……ゴホンッ!初めまして夏目貴志くん!オレ、名無し権兵衛!夏目くんの友達である要とは転校初日からの親友!夏目くんと前々から話したかったんだけどさあ〜、接点が驚くほど無くて!要と友達って接点ができてオレ、嬉しい!趣味はお菓子作りで特技は――』




第一印象は「何なんだ…こいつ?」



【続・アイツには気をつけろ!】







「夏目、悪かったな;」

「いや、田沼は別に…にしても何なんだアイツ?」


目線を隣の教室から俺と田沼の会話を一生懸命きこうとして窓から耳をすましている奴を見やる。



田沼もそれに気づいたのか「ハァ…」と盛大に溜め息。




事の発端は朝のHR前にさかのぼる。




席について始業ベルが鳴るのを待っていると扉が勢いよく音をたて例のアイツに引っ張らた田沼が入ってきて俺の前に立った。



『おはよー!』
「お、おはよ」


いきなりの挨拶に上手く返す事ができた俺は田沼をみた。


田沼はバツの悪そうな顔で手を顔の前へ持っていき声に出さず一言。




「(ごめん)」




俺はその意味が解らずにいた。




目の前に立っている同級生を俺は知ってはいるが、評判だけ。



確か田沼と同じクラスの名無し。


持ち前のルックスと明るい性格から男女問わずの人気者。




そんなやつがいきなり、




『つーわけで……ゴホンッ!初めまして夏目貴志くん!オレ、名無し権兵衛!夏目くんの友達である要とは転校初日からの親友!夏目くんと前々から話したかったんだけどさあ〜、接点が驚くほど無くて!要と友達って接点ができてオレ、嬉しい!趣味はお菓子作りで特技は――』




キーンコーンカーンコーン―――




『あ!もう鳴っちゃったよ、要!戻ろう!夏目くん!よろしくっ!』













「…まったく意図が掴めない。」

「いや、掴まない方が;」



田沼は名無しの意図を知っているのか青い顔をしている。




キーンコーンカーンコーン―――


昼休み終わりの予鈴



「頑張って、」







それだけ言うと田沼は教室に戻っていった。


入口付近で『ねー!ねー!夏目くんオレについて何か言ってた!?』という声が聞こえたけど田沼の

「頑張って、」

が頭によぎり俺も教室に戻った。








帰りのHRを終え家へと帰る道、俺は捕まった。
















『夏目くん!』

「名無し…」

『!、覚えててくれたんだ!』

「まぁ、…帰り、こっち(の道)なのか?」

『ううん、逆!夏目くん待ってた!!』

「へー、………は?」

『オレ、朝言えなかったから、夏目くんと仲良くなりたくて!』



ふわり、と微笑んだ名無しは男なのにドキッとするくらい綺麗で。


『駄目、かな?……いきなりだし、失礼だよね…』


考える隙もなく首を横に振っていた。



「いや、全然…よろしく名無し。」



俺がそう言えば笑みを満面に咲かせ


『ありがとう!嬉しい!』

と手を握られた。





相手は男なのに
第一印象は決してよくないのに




名無しのことを知りたいと思っている自分がいた。







その笑顔に釣られたのは紛れもなく俺。








『夏目くんのこと“貴志”って呼んでいい!?』
『俺は“権兵衛”って呼んで!』
『今から挨拶いっていい?こうゆーの早い方がいいじゃん!』
『誰にって…貴志の親御さんしかいないっしょ!』
『今日から晴れてカップルなわけだし!』
















「え!?カップル!?」






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笑顔は計算だといい。
夏目君と付き合った気でいる主人公。

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あきゅろす。
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