卯ノ花姉弟シリーズ
更木隊過去編壱
『俺が、十一番隊にですか!?』
正直焦った。
無事に、真央霊術院を卒業した俺と修兵は死神になり自分の配属する隊を聞かされた。
俺は修兵みたいに力が強いわけでもない。(というか斬り合いとかはしたくない。)
自分自身、治癒能力もそこそこ使えて、姉さんもいるし四番隊に配属されるだろうと思っていた。
修兵と同じ隊がよかったけど死神になってまでワガママは言えない。
「・・・それ本当なんすか?」
修兵も驚いた様子で聞き返す。
当たり前だ。
十一番隊と言ったら
喧嘩大好き、戦い大好きの最悪部隊、そして更木剣八率いる更木隊で有名な隊だ。
俺と修兵は肯定される返事にお互い顔を見合わせた。
すると見知った霊圧を感じそちらを振り向くと姉さんがこちらに向かってきた。
「う、卯ノ花隊長!」
ペコっと頭を下げる修兵(近くに居た死神たちも頭を下げた)に姉さんは
「檜佐木君、入隊おめでとうございます。これからも尊をよろしくお願いしますね?」
「もちろんです!」
またも頭を下げる修兵。
「尊、配属を聞きましたか?」
『はい。それが・・・十一番隊に配属が決まりました;』
あはは、と乾いた笑みを送れば少し眉を顰める姉さん。
それもそうだろう。
姉さんがいる四番隊と十一番隊は折り合いが悪いと評判だ。
なんでも喧嘩っ早い十一番隊の隊員は稽古だけでも大怪我をしたりして来るらしい。
そのたびに四番隊が救護に当たるらしいが、そこは最悪部隊の十一番隊。
救護をしてもらっているにもかかわらずいちゃもんを付けて来るんだとか・・・;
『俺、てっきり四番隊だと思ってたんで少し残念ですが、自分が配属になった隊です!頑張りますよ!』
姉さんに心配をかけてはいけないと笑顔を見せる。
「やはり十一番隊になってしまったのですね・・・」
「失礼ですが、やはりというのは卯ノ花隊長は尊が十一番隊に入る事をご存知だったんですか?」
姉さんの言葉に俺も修兵も驚きを隠せずに姉さんの方を見た。
「・・・尊、ごめんなさい。私がもっと早く気付いていれば良かったんですが・・・」
悲しそうな顔で謝る姉さんに意味が解らず
『どういうことなんですか・・・?;』
となげかける俺。
「実は・・・尊、あなたが十一番隊に配属されるように仕組んだ人がいるのです。」
『「仕組んだぁ!?」』
『それはどういうことなんですか!?仕組んだって・・・総隊長が配属を決められるのではないんですか??』
「そうなのですが、総隊長は四番隊に配属するように考えてらっしゃったらしいのです。
しかし、どこから尊の噂を聞きつけたのか更木隊長が“卯ノ花尊を十一番隊にいれる”と総隊長に食って掛かったらしく・・・
総隊長も「更木には何を言っても通用せん;」と諦めて尊を十一番隊へ配属する手続きをしたらしいのです」
「なっ;」
『ほ、本当ですか・・・;』
「えぇ。なので、とにかく気を付けてください。
あなたが行く隊はあの“更木隊”です。
うちの隊員が今までどれほどの被害をうけた事か・・・
更木隊長が何を思って尊を引き抜いたのかは解りませんが、何かあるはずです。
気を引き締めていくのですよ、
何か十一番隊の隊員に嫌がらせでもされたら・・・すぐ私に言うのですよ?わかりましたか?(黒笑)」
『は、はい!(今一瞬姉さんが姉さんじゃなかったような・・・?)』
「(卯ノ花隊長こえー;)」
そうして俺は姉さん、修兵と別れ十一番隊の隊舎前へと来ていた。
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