卯ノ花姉弟シリーズ
海での出来事―恋次の場合―
ガヤガヤと騒ぐなか恋次は今回の主役である尊に熱い視線を送っていた。
「…(朽木隊長もついて来ちまうし、市丸隊長に日番谷隊長…、ったく!隊長がこんなにいたら尊さんに近づけねぇじゃねえか!)」
最初に尊から海に誘われたときのことを恋次は思い出していた。
“恋次が一緒だと楽しいじゃん!”
尊にしてはただ単に「人がたくさんいた方が楽しい」ということなのだろうが、
「///!?(俺と一緒が楽しい///!?)」
と、勝手に解釈。
勿論そのとき尊の横にいた修兵がもの凄く嫌な顔をしていたのは見て見ぬ振り。
そんなこんなで待ちに待った今日。
まさかの強敵揃い。
「(今日は諦めっか…、)ん?そういえば吉良どこにいんだ?」
見回すがどこにもイヅルは見あたらなかった。
「んだよ、…っ!?」
イヅルを探すのも諦めようとしたとき肩に回された手。
気配がなかったために驚いたが次の一言で心は躍る。
『よっ!恋次、楽しんでるか?』
その声は紛れもない尊の声。
「尊さん!?いつの間に?!」
『いやー、恋次がきょろきょろしてるからさー、楽しくないのかなって…』
眉を寄せ悲しそうにいう尊に“とんでもないっ!!”と思う恋次。
「なに言ってんスか!檜佐木先輩に声かけてもらっただけでも嬉しかったのに!(先輩は嫌そうな顔してたけど、)」
修兵に悪態を吐きつつも尊と過ごせることを素直に喜ぶ恋次をみて尊はまた、勘違いを起こす。
『え?そうなの!?
何だよー、水くさいな〜!俺、全然そうゆうの気にしないし!むしろそこまで想ってくれて嬉しいし!』
「(『想ってくれて、嬉しい!』…?まさか!?オレの気持ちに気付いたんじゃ!///)お、オレも!…気付いてもらえて嬉しいッスよ///」
『うんうん!修兵もさー、モテるのに彼女いないし…ってことは女に興味ないのかも!だったらちょうどいいじゃん!』
「…
あのー尊さん、
“ちょうどいい”って?;」
『え?だから狙い時じゃん?喜べよー恋次!』
「(喜べねー;!!!!!)」
石化する恋次。
『俺と修兵は親友なだけだかんなっ!応援するし!!』
とガッツポーズを決める尊。
六番隊副隊長阿散井恋次。
またまだ彼の気持ちは届かない。
END
またもや勘違いオチ。
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