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卯ノ花姉弟シリーズ
姉の憂鬱A





『じゃあ…一週間後に!』

「楽しみですね♪」

「そうだな、うんと羽を伸ばそうぜ!」


******



この会話がなされたのは一週間前。

と、いうことは決行日は今日という事になる。

何の決行日なのかというと、卯ノ花 尊が主催で行われる夏の行事だ。


夏の行事と行ってもただ単に海ではしゃぎまくるだけなのだが…。
その行事は実はひっそりと毎年企画されていた。
もちろん姉である卯ノ花も参加しており…
というか、姉の卯ノ花が今まで主催だったのもありあまり人には知られておらず尊、修兵、卯ノ花率いる四番隊の数名、やちる、ぐらいの参加者だったのだ。

それが今年に限って卯ノ花は尊との休みが噛み合わず不参加、
尊も今年はないものだと思っていたのだが


「せっかくですから檜佐木君と海に行ってらっしゃい。」


という姉の言葉に甘え計画を立てていたのだ。
修兵は尊と二人だということに喜んでいたのだが、そう簡単に行くはずもなく。
尊は修兵と海に行くことを嬉々にいろんな人に言いふらしていた。

そんなおいしい話を逃す隊長・副隊長達ではない。
ちゃっかり参加。
その中には市丸、白哉、日番谷、と決して暇ではないであろう隊長もいる。

今日という日が来なければいいのに…


弟の喜ぶ顔が浮かびながらもそんな不謹慎な事を願う姉だった。

今朝。


早起きをしてたくさんのオニギリを作っていた弟の姿が目に浮かぶ。



「(…せめて…せめて今からでも大雨が降ればいいのに…)」






空は青く澄み渡っていた。





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