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『ミッドナイト・オーバーキラー』
3


オレとニナは、とある教会へと入って行った。
ここはオレとニナ、そしてもう一人が住む家でもある。
因みにオレもニナも聖職者とかそんな大層な役割をしている訳ではない。
たまに手伝いをする程度には関わったりはするけど、もう一人の住人がこの教会の神父なのだ。
神父はもの凄く変わり者で、オレとそいつが出会った時、住む家がなかったオレは外でご飯を食べていた。
そんな時、やって来た神父はオレを見てもの凄くテンションを上げて「家へおいで」なんてそれらしく振る舞った。そんな出会い。
オレが拾われて、もう既に十年程の付き合いだ。
その間にニナも神父に拾われてこの教会に住み、オレ達は割と仲良く生活している。
まぁ、オレ達が仲良く生活出来るのは相性もあるだろうけれど、とある理由が三人とも共通していて、同意は出来ないが分かり合う事は出来る関係にあるからだ。
だからオレ達は一緒に暮らして、協力し合って生活している。ただそれだけ。


「ただいま――……」

「あぁ、おかえり二人とも」

「ん――ッ!!……んぅ、ッ!!」


教会堂の奥……というか地下へ続く階段を下り、扉を開ければそこには一人の男がソファに寝転がり、裸の女が男に跨り腰を激しく揺らしている光景が広がっていた。
「またかよ……」とうんざりしながら溜め息を吐いていれば、うしろからニナが悲鳴を上げる。


「あ"―っ!!ちょっと、ネオ!!なんて事してくれてんの!!その子は私のなのよ?!最近連れて来たばっかりの子なのに!!」

「彼女が勝手に腰振ってるだけだよ?ボクは悪くないさ」

「だったら止めなさいよ!!あ"−!!もう、気持ち悪い!!」

「ニナ落ち着いて。ネオもいい加減やめて。ご飯作るんだから」

「今日のご飯なーに?」

「シチュー」

「わー。この状況でシチューとかもうアレしか浮かばないなー」

「馬鹿ネオ!!ご飯食べれなくなるわ!!」

「オレは食べれる」

「もー、最悪!!」


ニナが怒りと険悪を振り撒きながらネオのもとまで進み、ネオに跨る女の頬を勢い良く引っ叩く。
ぱしんと渇いた音が響き、一瞬だけ静寂に包まれた。
打たれた女は、ゆっくりとした動作で頬に手を添えながらニナに振り向き、何が起きたのかわからないといった表情と濡れた瞳で見つめる。
そんな女をじろりと睨んだ後、冷たい声音で言い放つ。


「あなたもういらない。まだ"仕込み"前だからネオにあげるわ。その後は好きにしてちょうだい」

「あ、そう?じゃあお言葉に甘えて。あとでノラにもあげるね」

「……きれいに洗ってよ……?」

「面倒だなぁ。でもまだ出してないからマシかな?」


溜め息混じりに言うネオに「溜め息吐きたいのはこっちだよ」と呆れた。
因みに冷たく突き放したニナは自室に戻ってしまった。
ニナのうしろ姿を視線で追いながら言葉にならない声でニナにすがろうとする女は、それでもネオの上から動かない辺り、毒されていても人間としての欲求だけは残っているらしい。


「じゃあ、ボクらも部屋に行こうか」

「んゃ……っ」


ネオがそう言いながらずるりと突っ込んでいたモノを引き抜き、女を抱えながらネオの自室とは別の、通称"快楽室"と呼んでいる部屋へと向かったのを見届けてからオレはキッチンへと向かった。


2016/11/13.



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あきゅろす。
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