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『向日葵の咲く頃には』
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早速サトとナオト、そしてママさんに三人で撮った写真を送って少し待つ。
因みに送った際に≪イケメンと美少女とオレ≫というタイトルで、本文には≪全員立派な男の子!!≫と書いて送った。
少しして返信がきて、開いてみるとナオトからだった。


≪ビックリしたー。慎、急に女の子平気になったのかと思ったよ。楽しそうだけど、なんでチア?≫

「あぁ、そうだった」


体育祭をしているという説明をする事を忘れていたオレは、ナオトの返信に現在 体育祭の最中である事と、仮装レースの衣装って事の説明を返した。
結構早い返信だったけど、ナオトの方は丁度空き時間だったのだろうか。
その事も聞いてみようと追加で一文を添えて送れば、返ってきた内容に肯定の返事が書かれてあった。
それを考えるとサトの方は今は授業中だろうな……。
返事はあとになるかもと、そう思っていたら携帯が震えて、サトからの返信を知らせた。


≪おい!!授業中になんつーもん送ってくるんだよ!!びっくりして怒られただろーが!!罰としてチアの子紹介しろ!!≫


きっと怒られたって所は本当なんだろうけど、不満を口にするも、それはわざとであるという事位、それなりに長い付き合いなオレには直ぐにわかる。
しかも、ちゃっかり宇高に的を絞ってくる辺り、怒られた割には余裕が見受けられる。


≪残念!!チアっ子には片想いの相手がいるのだ!!隣のイケメン天使だぁ!!≫

≪付き合ってないならオレにもチャンスはある!!任せろ横恋慕!!≫

≪残念!!オレはチアっ子の味方だからサトには渡さん!!≫

≪ケチんぼ!!≫

「……ケチんぼって!!」


サトとのメールのやり取りに「ぶふぁっ!!」と噴き出してしまった。
その様子に宇高も岸谷も驚いたように「どうしたの?」と聞かれ、やり取りの内容を説明する。
あ……勿論、宇高が岸谷の事が好きだって所は抜かしてだよ?


「知らん人に好かれてもな〜……」

「サトって奴はテンション高いし、ノリも良いから悪い奴ではないけどね。因みに、ママさんから今返信来たけど、岸谷の事可愛いって。あ、ママさんっていうのはオレ達が良く集まるバーの店長さんね」

「オレ、可愛いって言われたの小さい時以来だよ」


説明の途中でママさんからも返事が届いて見れば、≪アタシの好みのイケメンちゃんね!!可愛いわぁ!!≫って来たから≪オレの事?(笑)≫って返したら≪(笑)≫とだけ返された。
オレはママさんからは可愛いの分類で分けられている事を前々から聞かされているから、冗談で言ってみたのに……まさかの"(笑)"のみが返ってくるとは……。


「てかマコっちゃん、バーなんて通っとるん?」

「あー……、中学の時にお付き合いしてた人に連れられてね。連れられている内に二人にも出会ったって感じ」

「未成年者の入店って大丈夫なの?」

「駄目だろうけど私服で行くし、平気なんじゃないかな?」

「えぇ〜、それはそれでどうなん?」

「その内二人にも三人の事、ちゃんと紹介するよ」


そう言って一通りのメールのやり取りも終えた為、携帯をしまい込む。
そのタイミングで放送マイクに電源が入れられた音が響いた。


2017/12/30.



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あきゅろす。
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