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『向日葵の咲く頃には』
学園行事予告!!


試験の結果が全て返却され、また何時もの日常が戻ってきたとか思っていれば今朝のHR。


「そういやぁ、もうすぐ体育祭が行われるから種目決めを近々するから、出たい種目とか予め考えておくよーになー」


そう告げて教室を出て行く須藤先生に「はーい」なんて返事を返すクラスメート達。
オレは自分の席でそれを見届けたあと、いそいそと岸谷の席まで移動する。


「ね、ね。体育祭って何やるの?」

「普通にバスケやバレーに、あと騎馬戦やリレーとか……」

「騎馬戦?!そ、そんなのやったら大半の生徒死んじゃうよ?!ここちっさくて可愛い系の生徒も多いんだから!!」

「あー……怪我人は少し出たりもするけど、死人は出てないから大丈夫だよ」

「出てたら怖いよ!!宇高死んじゃうよ?!」

「勝手に人殺すなや!!ボクは騎馬戦には参加せぇへん!!」

「そうなの?!良かったぁー!!」

「マコっちゃん馬鹿にしとるん?!」


襟元引っ掴まれてがくがくと揺さぶられながらオレは「そんな事ないよ!!」と慌てて弁明する。
落ち着いた宇高はオレを放して岸谷に「淳ちゃんは何出るん?」と切り替えていた。


「オレは多分、今年も騎馬戦とリレーは出されるだろうなぁ……」

「淳ちゃん、背ぇ高いし足も速いもんなー」


去年の体育祭でも思い出しているのだろう二人は「あんな事もあったなー」と記憶をよみがえらせている様だった。
オレにとっては初めての体育祭な為、二人の思い出話には付いてはいけない。
てか岸谷は足速いのか。流石は運動部。運動も出来て頭も良くて優男でイケメンで……文句の付け所がねぇな。


「マコっちゃんは、なんに出たいん?」

「まず種目がわかんない……けど、オレ運動は絶望的だから責任重大なものは避けたいな……」

「そんなに酷いの?」

「母親譲りの運動オンチですが何か?」

「体育ん時、毎回必死だったんはわざとやなかったんやな……」


胸を張って言う事でもないのだが、別に運動オンチで困ったって事は一度もない。
二人の説明によると体育祭の種目は一部は個人競技の物もあるが、大体が体育の授業でもやるスポーツでクラス対抗戦になる。
クラス対抗戦のスポーツに関しては、それらの競技の部活動に入っている生徒は当て嵌まる種目には参加は出来ないようで、バスケ部に入っている生徒はバスケの種目に入れない、といった感じらしい。
それでも沢山出たいと希望する生徒がいれば、それも自由らしく、下手したら一種目に出るだけであとは応援するだけでも良いとの事。
それは大変ありがたい話だ。運動オンチのオレは早々に役割を果たして、あとはのんびり観戦していた方がクラスにとっても良いだろう。
というのも各種目で得た順位は獲得ポイントとして点数化され、高得点を叩き出したクラスには景品があるとかないとか。
景品と言っても一クラス分への景品な為、学食無料券とかそういったものらしいけど、貰えるのなら貰うに限る。
体育祭の話題が上がっただけでクラスの賑わいが目立つ辺り、やはり目指すは優勝なのだろう。
ちゃんと高校生らしい雰囲気を味わえてオレはなんとなく嬉しくなり、今から楽しみになってきた。
そうこうしている内に一限目開始のチャイムが鳴り響き、オレ達は席に戻る為にその場で解散した。


2016/4/6.



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