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『向日葵の咲く頃には』
自白します。


「実は入寮日にですね……」

自白も良い所な発言後、逃れられないと悟ったオレは、自分がゲイで、どっちかって言うとネコで、この学園に転校になったのは偶然でも実は内心超大喜びしてたりとか、入寮日でのイケメン眼鏡男子こと一條 雅との出来事やされた事等を話して「実はちょっと気になってますよ悪いですかッ!!」とまくし立てる様に暴露した。
ついでに理事長や佐野さん、事務室の優しそうなおじさん、寮の管理人さんとか担任とか他の教師とか、生徒も皆格好良くて目の保養ですありがとうございますと感謝の気持ちも伝えたら、宇高がどん引きした冷たい瞳で「うぇええ〜……」と唸った。


「宇高、酷い……」

「ごめん。でも安心しぃ。一緒にいたるから」

「宇高は女神様ですかありがとうございます可愛いです」

「まぁ、月ヶ瀬良い奴だしオレ達がどうなるって訳でもないから心配しないで」

「岸谷は本当天使ですねありがとうございます」

「「………うわぁぁあ……」」

「二人とも酷い!!!!」


ちょっと距離を置かれた事に酷いと涙目で訴えた。
しかし、自分の性癖を伝えても一緒にいてくれると言ってくれた事には本当に感謝の気持ちしかない。
オレの新しい高校生活は順調に行きそうな予感で安心した。
まだ出入り口が空かないから喋って待っていれば、周りの会話がなかなかに心揺さぶる様な内容でつい耳を傾ける。
ある人達は「こあとサボって二人きりになろう」とか「今夜部屋に泊まりに来いよ」とか「この間一緒にいたの誰?!浮気?!」とか……兎に角そんな会話が繰り広げられている。


「……良いなぁ、仲睦まじき奴らは」

「羨ましいんか?」

「そりゃ、ねぇ。オレだって出来れば新しい彼氏欲しいですよ」

「「"新しい彼氏"……」」

「ここ来る前までは何人かとお付き合い済みでしたので……」

「この学園でなら候補はいなくはないもんね」

「岸谷か宇高のどっちかどうですかね?」

「ごめん、オレはちょっと……」

「ボクもマコっちゃんはご遠慮やな」

「即答っすか。てかこれでOK貰えてたらちょっと気まずかったから良かったけど。あと宇高"マコっちゃんは"って酷い」


「事実やもん」となんて事ない様に言う宇高に、本当に涙が零れそうだよ……。


2015/8/26.



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