■短編■
2015/8/4〜【2】
青く澄んだ空が広がるお昼休み、屋上。
ラブレターをくれた相手ば居眠り王子゙という異名を持つ男だった。
【居眠り王子とオレ 2】
唖然とした表情で゙居眠り王子゙こと国定を見つめてから、どういう事なのか説明して貰おうと付き添いだと言う女子に視線を送れば、相変わらずクールな表情でこくりと頷く。
いや説明してよ……!!
「あとは二人でどうぞ」
「え゙っ、嘘でしょ?!オレこの状況わかんない!!」
「ちゃんと俊明が説明するわよ。じゃ」
「待ってよ!!ってか名前呼び?!」
屋上に一つしかないドアへと消えていくクラスメートを引き止めようとしたが、彼女は手を振ってドアを閉めた。
閉められたドアを見つめて、そんなオレらを無言で見ている国定に視線を向けて「どうすれば」と訴えかけてみる。
国定は国定でどう話そうか考えているのか、視線を逸らしている。
「……あの、手紙くれたのってお前?」
「あぁ、うん」
とりあえず問いかけてみれば、あっさりと肯定され、オレの浮かれたテンションは本格的に急降下していく。
「あ、そうなの……やっぱそうなのか……そっか……」
「大丈夫か?」
「大丈夫な訳あるか!!人生初のラブレターがまさか男からとか……これが大丈夫でいられると思うか?!お前はモテるからラブレターなんて慣れてるだろうがよ!!」
「貰う事はあっても書いたり渡すのは人生初だからお相子だ」
「いや!!気持ち的に相子じゃない!!」
気分良くされてから叩き落とされるオレの気持ちがお前にわかるかっ!!
そう睨み付ければ困り顔で「すまん」と謝罪される。
そう素直に出られると言い返しづらいからオレも口を閉ざせば沈黙が流れる。
この場をどうにかするには、国定が何故オレなんかに手紙を寄越したのかを聞かなくちゃならない。
「……で。手紙くれた理由はなんなの?」
「……告白する為?」
「……マジでか……」
まさか本気でオレに告白する為に呼び出した手紙だったのか。
何時でも何処でも寝てても成績優秀でイケメンでモテるくせして、何故に相手にオレを選んだんだ?
冷や汗の止まらない背中が気持ち悪くて眉をしかめながら国定を見ていれば、国定は表情を真剣なものにして、改めてオレに視線を向けてきた。
つづく
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まだまだ続きます。
2015/8/4〜2015/9/7.
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