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■短編■
2016/10/4〜【5】


【小虎の恋模様 番外編5】


朝食を摂ろうとした小虎と草間を紀野と巽が止め、一旦部屋へと引き返させた紀野達は、食堂から食事をトレーにのせて小虎の部屋に訪れた。
トレーの上には、小虎の希望の唐揚げA定食と草間の希望のカツ丼定食が並んでいた。
お礼を言いながらトレーを受け取り、小虎は人数分のお茶を用意する為にキッチンへと向かう。


「しっかし……不思議だなぁ、こいつは」

「耳だけならまだ誤魔化せるだろうけど、尻尾まであると言い訳しづらいな」

「動くし、触れば感触も熱もあるからさぁ、隠し続けるの正直しんどいんだよな……」

「窮屈だよね……」


「はぁ……」と重い溜め息を吐く小虎と草間を見て、巽は「とりあえず食えよ……」と持ってきた少し遅めの朝ごはんをすすめた。
小虎達が朝ごはんを食べている間、紀野と巽は二人を暫し観察する。


「……なんか、心なしか気分が良くない気がする」

「草間君?大丈夫?」

「どう気分が良くない訳?」

「なんか……吐くまではまだいかないけど、胃の辺り?がもやってするような……」

「……玉ねぎ食ってるからじゃね?」


「ほら、犬や猫ってネギとか駄目だって言うし」と巽が補足すれば、草間は顔を覆って項垂れた。


「えっ?!耳と尻尾の時点で凹んでるっつーのに体質まで影響出てんの?!嘘だと言って!!」

「実際に気分悪くなってんだろ?嘘とは言い難い」

「賀集も食べ物気を付けないとね」

「う、うん」


全力で凹んでいる草間を置いて紀野は小虎の頭を優しく撫でながら、犬と猫が食べられないものを携帯で調べていた。
気を付けないといけない、とはいえ食べない訳にもいかない為、草間は玉ねぎを避けてカツ丼を食べ進めていった。


「それはそうと、これからどうするか考えているのか?」

「何時戻るかわかんねぇからな。でも今日が金曜で助かった。……土日で戻れれば良いけど……」

「ひとまずの問題なのはご飯位かな……?」

「フード被って行きゃなんとかなんじゃね?」

「なら、こうしよう」


そう紀野が話し出し、三人は紀野の話に耳を傾けた。



つづく。

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2016/10/4〜2016/11/9.



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あきゅろす。
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