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■短編■
兎さんと遊ぼう!!


オレの住まう世界には沢山の種族が存在する。
この世界でのオレは『人間』という種族で、『人間』という種族の割合は二割程しかいない。
貴重な種族、という訳ではないのだが、まぁ、他の種族に比べて寿命が短いという理由もあってこの位なのだ。
そしてこの世界では『人間』という種族が一番弱いです……悲しい話だが、他の種族よりも力がないのだから当然ではあるのですが……。
『人間』以外の種族で最も多いのは『獣人』で、この種族は更に多様に枝分かれ、それを一括りにまとめて『獣人』と呼んでいる。
『獣人』内から枝分かれした種族の例を挙げると、『人狼族』や『卯(う)族』、『鳥人族』、『魚人族』など、その他沢山の『獣人』がいる。
この『獣人』はその多様な種族が存在する為、種族人口の七割を占めている。
『獣人』達は生きていく為にそれぞれが進化を遂げ、体力や力に関しては一番強く、主に剣術や体術に優れている。
そんな『獣人』よりも凄いのが残りの一割の最も貴重で、なかなかに関わる事が出来ないお偉いな地位に立つ『神人(しんじん)』である。
この『神人』にも『獣人』程ではないが、複数存在していて、『天使人』や『悪魔人』、『呪人』、『聖獣人』など。
『神人』は魔力量が多く、多様な魔術に優れており、その昔『神人』と『獣人』の間で大きな抗争があったが、『神人』の数が圧倒的に少なくてもほぼ互角に終わり、引き分け状態でその場は収まったという話は有名だ。
そんな多種族がわりと仲睦まじく平和に暮らしている訳だが――たまに一部で喧嘩とか騒動起こしたりはしてるけども――今日も平和にオレは学校に通っている。
あ、申し遅れました。改めて自己紹介させて頂きますね。
オレは種族は『人間』の、名前は静(シズカ)と申します。
年は十六で現在高校一年生を務めていまして、オレの通う学校はそんな多様な種族の集まった、この国一番ともいえる有名な共学校です。
『人間』以外とも触れ合う事が出来る空間で――学校の外でも関わり合いはあるけども――可愛い女の子や、頼もしい男子友達に囲まれながら毎日楽しく通っています。

そんなオレが今現在、何をしているのかと言いますと――……


「……っは、あっ、……や、め……ッ!!」

「待って、も、少しだけ……っ」

「ひぅっ!!……あ、も、やだ……ッ」


ただ今授業中ではありますが、まさかの行為中でございます……。
決してオレが望んでこうなった訳ではありません。
オレはちゃんと授業を受けようとしたんですよ?
そんな時に、オレを後ろからがんがん突いているこの男に強引に空き教室に連れて来られて、なんの説明もなしにいきなり襲われた結果、今ここ状態です。


「と、ぐさ……ッ!!いい加減……んッ!!」

「あー……。静の中、気持ちくて止まんない」

「うぁっ……?!あ、やだ!!……それ、やめ……ッ」

「ほら静、気持ち良いでしょ?」


ふっと耳元で息を吐く後ろにいる男、『獣人・卯族』の兎草(トグサ)は、ぐっと腰を深めるのと同時にオレの反り立つ中心を握り、上下に扱きだす。
下半身の方から二つの異なる水音が部屋中に響いて、オレの耳を通して腰に届き、自分の意思とは関係なく勝手に腰が動いてしまう。
下半身の中心に与えられている刺激により、先端からはとろりとした透明な汁が溢れて兎草の手を汚していく。
滑りが良くなったのを確認した兎草は、一層手の動きを速めた。


「まっ……!!だめ、でちゃ……あッ!!」

「良いよ、出してよ。静が出す所、見たい……」

「ひっ!!……や、あ、やだ!!や……あぁッ!!」

「……ん、」


ごろんと体勢を変えられてオレは兎草と向き合う形にされ、そのまま突かれつつ扱かれつつ、ぼうっとする思考と涙でぼやける視界の中で、兎草がにやりといやらしく口角を上げたのを見て、オレは耐えられず自分の腹の上に熱を放つ。
それと同時に兎草の熱がオレの中に放たれて、どろりとしたものが中に注がれた。
ひくりと振るえるオレのを兎草は、中に残っている白濁を絞り出す様に、ゆっくりとした動きで擦り上げてくる。
果てたばかりの状態でその緩やかな刺激もオレには毒で、腰を震わせながら残りを吐き出した。
はぁ、と息を整えて大暴れな心臓を落ち着かせようとするが、尻に納められている兎草の熱が気になって全く落ち着かせられない。


「はっ、……お前、抜けよ」

「えー?もう一回ヤろうよ」

「やだよ。お前、回数多くて疲れるんだもん」

「兎だからね。仕方ないよ」


そう言いながら兎草がオレに唇を寄せてくる。
息も乱れたままではあるが、深くなるそれにオレも答える様に角度を変えて味わう。
兎草は『卯族』出身な為、性行為はわりと積極的ではある。
人型であるおかげなのか、万年発情期という事はないらしいが、一度始めるとなかなか終わりをみせない……陰で"絶倫一族"とも呼ばれている。
そんなのにいちいち付き合っていたらオレの身が持たない。
そもそも兎草はモテるのに何故オレなんだって話だが以前聞いた所、兎草曰く「妊娠しないし、静が好きだから」だそうだ。
……最初の台詞がなければちょっとキュン、ってするのに、残念な話だ。


「静がそう言うなら今日は我慢する。……静、気持ちかった?」

「…………うん」

「何だかんだ言って静も好きだよね〜。エッチィ〜」

「うっさいアホ兎草!!」


ギュゥ〜ッ、と兎草の頭にある兎耳を抓れば「痛い!!」と涙目で訴える。
耳を放してやれば、相当痛かったのか耳を労わる様に撫でる兎草に「……ごめん」と内心で謝っておいた。



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2015/9/4.



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