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アメリカの首都ニューヨーク。タートルズのリーダー・レオナルドがいない今、街中の治安は崩れていた。俺たちは先生の命で動けないからだ。だが俺にはドナテロみたいな頭脳もミケランジェロみたいな愛嬌もない。だから俺は家族に内緒で街に繰り出す事にした。"ナイトウォッチャー"それが今の俺の名前だ。今日も真夜中にこっそりと抜け出し一仕事して来た。

カ…チャ
キィ
パタン…

出来るだけ物音をたてないよう我が家のドアを開ける。まだ夜中。家族は皆寝ている時間だ。俺はあくびを噛み締めながら自室へ向かった。



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ガチャ
パタン

当たり前だが自室は暗かった。一つあくびをして俺はベッドにダイブした。…固い。何かある。その"何か"を確かめるよう俺は手を動かした。丸い、厚い、固い、柔らかい?

「えっち。」
「!!?!」

突然の声に俺は驚いた。"誰か"いる。隣にいる物体が動いたかと思うとぱちんと音がして部屋の電気がついた。暗闇に慣れた眼に突然の明かりは眩しく俺は眼を細めた。

「ラフはそんなに僕の身体好きなんだ?」
「…ドナテロ?!」

"誰か"の正体はドナテロだった。何故起きているかと質問をしようかと思ったが、辞めた。そう言えばこいつは昔から夜更かしばかりしていた。どうせまた何か作業をしていたのだろう。それより――

「なんで俺の部屋にいる?」

起きている理由は多分合っている。一番の疑問はコレだった。

「んー?毎日頑張ってるラフに癒しを、なんちゃって。」
「!!」

本日二度目の驚き。ドナテロは俺がナイトウォッチャーとして夜間活動していたのを知っていたのか!?

「あんまり頑張りすぎると身体壊しちゃうよ。」

そう言ってどこからか出して来たカップをベッドサイドに据え置かれた俺の汚い机にことんと置いた。

「ココア。冷えた身体には最適だよ。」
「…さんきゅ。」

俺はドナテロの好意に甘える事にした。久しく飲んでいなかった温かな飲み物は俺の身体をぽかぽかと暖めてくれた。と同時に俺の頭を冷静にしてくれる。

「いつからだ。」
「んー?」

突然の俺の問い掛けにドナテロは少し頭を捻るような素振りをした。暫しの沈黙。それを破ったのはドナテロだった。

「初めから、って言ったら驚く?」
「!?」

今まで会った時は普通に接した。夜中に会ったのは今日が初めてだ。なのに何故…。

「ラフの事なら分かるよ。勿論、今の仕事をやめるつもりもない事も。」
「なら――」
「僕はラフに無理して欲しくないんだ。もっと自分の身体を大切にして欲しい。」
「…。」

確かに。レオナルドに注意される事がない分多少危険な行いもしていた。現に今日負った傷もほったらかしにしている。

「ラフ、あんまり酷使すると家族が悲しむよ。―勿論僕も。」
「、ドナテロ…。」

ドナテロは人間には滅多に向けにない真剣な眼を俺に向けた。

「…分かった。だがナイトウォッチャーはやめねぇからな。」
「うん。でも一つ約束。危険な事はしない。ちゃんと休息をとる。」
「…一つじゃねぇよ。」
「あ、あと一つ。ちゃんとご飯を食べる。」
「…。」

一つと言いながら二つも三つも増やしていくドナテロに俺は呆れて物が言えなくなった。まぁこれが俺の為を思って言うんだから悪くはねぇ。なんか擽ってぇが。

「あと――。」
「まだ増やすのかよ!」

俺は夜中にも関わらず久しぶりの大声を上げた。

End.

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あきゅろす。
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