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勉強なんか嫌いだ!(アイアコス)
「名前ー…なあ名前ー…。」

机に向かってひたすらペンを動かしている名前の必死の形相に、初めは大人しくしていたアイアコスだが、いい加減飽きたのか名前にちょっかい出し始める。が、相手にされず。

「なーあー」

だがアイアコスは続ける。名前の手は已然動いたまま、少しも止まる気配はない。

「…返事しないとちゅーするぞ。」
「何っアイアコス?!」

返事しないとちゅー宣言には即答で返事を返した名前とちゅーが出来なかった悔しさに対し密かに舌打ちし、名前に先ほどからの疑問を投げ掛ける。

「何やってんだ?」
「テスト勉強っ!明日からテストなのー!!」

と、女子高生青春真っ只中の名前は切羽詰まった声色で返事を返した。そんなものお構い無しにアイアコスは続けた。

「つまり、その"テスト勉強"のせいで俺は放っておかれている、と。」
「そ、だね!」

名前もペンを動かす手を止めない。

「つまり、その"テスト勉強"がなければ名前は俺を構ってくれる、と。」
「うんうん!」
「つまり――「分かったからアイアコスは黙ってて!!」…」

続けようとした言葉を名前によって遮られる。だが先ほど、確かに"分かった"と言った。勿論名前はそういう意味で言ったのではないが、鳥頭なアイアコスは自分に都合のいいように解釈する。

「っ、もう分かんないよう!」



「ガルーダフラップ!!」



その掛け声と共に名前の机の上の荷物が上空へ吹き飛ぶ。

「な、あ、ち、ちょっ、アイアコス?!」

突然の出来事に頭がついていかない名前はアイアコスに尋ねる。

「先ほど飛ばしたものは落ちてくる予定はない。」

×印もないしな、とアイアコスは言った。勉強道具をいきなり上空へ飛ばされしかも落ちてくる予定はないときた。

「勉強より俺を構え!」

どうしようと狼狽える名前にアイアコスは言う。名前ははぁ とため息を吐きアイアコスの側に寄る。

「赤点採ったら責任取ってよね!」
「勿論だ。」

名前の返答に満足したアイアコスは勉強の出来なくなった名前と共に残り少ない時間を有意義に過ごしたのだった。

End.
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