[携帯モード] [URL送信]
膝枕(サガ)
「いー天気だね!」
「ああ」


私は、教皇補佐で働きすぎで胃痛持ち人間サガと一緒に空を眺めていた。“働きすぎなサガをどうにかしてやってくれ”とアイオロスに頼まれた私は、二つ返事で了承した。私もサガは働きすぎだと思っている。サガ曰く『過去の悪事の清算』。でも、サガは十分聖域復興やらなんやらに貢献し、過去の悪事清算分は――いや、それ以上働いていると思う。今日も教皇シオンに代わり執務を黙々とこなしていた所を私がかっさらってきたのだ。


「こんな日は昼寝するのが一番だと思わない?」


私は隣に座っているサガににっこりと問い掛けた。


「―いや、昼寝をする時間があればその分仕事が出来る…。」


肯定は期待はしていなかったが、余りにも予想通りの答えに私は頭を押さえた。サガは、根っからの仕事人間なのだろうか。これがカノンやミロあたりならば肯定即実行だ。

その前に執務仕事をしないが。


「たまにはいーんじゃない?休んでも、さ。」
「だが、私は…。」
「サガは働きすぎなの!ほら、眉間のしわっ!」


そう言ってサガの眉間に人差し指をあてる。眉間にしわがよっていては折角の色男が台無しだ。いや、しわがよっていてもそこらへんの奴等に比べれば何千何光年も格好良いのだが。


「ね、サガ。そんなに頑張ってたら出来るものも出来なくなっちゃうよ?」
「…、だが…。」
「まだ言うかこの口はっ!」


私は未だにぶつぶつ言うサガの頬をつまんだ。サガが痛いと言っているような気もするが気にしない。


「あっそうだ、サガ、膝枕したげるよ!」


サガの頬から手を離し私は自分の膝をぽんぽんと叩いた。


「い、や、名前?!膝枕なんてそんな、私は、私には「いーからいーからっ♪」


私は反論するサガの言葉を遮り有無を言わせず私の膝の上に頭を乗せた。そうすると初めのうちは抵抗していたサガもあきらめたように大人しくなる。ちょうどいい場所を見つけるようにサガの頭がもぞもぞと動く。生足にサガのさらさらで長い髪は少しくすぐったい。


「では名前、少しばかり膝を貸してもらう事にする。すまないな、こんな事をさせてしまって…。」
「ううん、サガは安心してぐーっすり眠ってね。」
「ああ、ありがとう。」


そう言うと、よほど疲れていたのか、はたまた長い間睡眠を取っていなかったのか(多分両方だろう)膝枕開始語数秒で規則正しい寝息が聞こえてくる。私はサガの寝ている膝をなるべく動かさないように気をつけながらギリシアの綺麗な青空を見上げた。

End.

[*前へ][次へ#]

第3回BLove小説漫画コンテスト開催中
無料HPエムペ!