4 「………(し、集中できない…)」 2つの机を合わせて、前に座っている森君ばっか気になり勉強に集中が出来ない。 何とか1枚は出来上がったけど、残り後1枚やらないと帰れないという…最悪なことだけど、森君と2人きりになれたことだけでそんな最悪なことが忘れられる。 森君は自分のクラスで出た課題をやっていた。 柄もなく白いシャーペンを紙にすらすらと走らせ、問題を解いていく。 その姿にドキ…と胸が高鳴る。 何してもかっこいーなあっ。 だけど、告白なんて出来ない。 だって、 森君には彼女が居るんだ。 「智二(ゆうじ)、発ーけんっ」 廊下から高い声と共に閉めきられていた教室の扉が開いた。 そこに居たのは森君と同じクラスの林さん。 いつも長い髪を2つ結びにし、巻かれている。 心の中で噂をすれば、早速、森君の彼女さんのお出まし。 いつ見ても綺麗で美人。 膝上20センチ以上のスカートから見える細いふともも。 グレーのぶかぶかなカーディガンを着て、その下からちらりと覗かせる学校指定のスカート。 女の私からしても林さんは制服をお洒落に着こなしている。 [←][→] |