「ここは、どうなる?」


とんとんと教室に響く彼の一差し指が問題用紙越しに机の上で突く音。

長い指は今やっている問題の文章に置かれて、もう一つ空いてる手はかけている眼鏡をクイッと上げた。


ドキッ

私のタイプのもう条件揃いまくりじゃん…。

第2まで開けた学ランに少し長めの黒髪に…そして、黒ふち眼がーねっ!

まさに…まさにっ!私が探し求めてたお相手。


「おーい、聞いてる?」


彼の優しい声で現実に引き戻され、目の前には不思議そうに見つめる私の学校での優等生の森君。


「は、はい!聞いてますっ」

「よかった。じゃあ、ここの問題解こうか」


ニコ、と口角を上げ、優しく微笑むとまた問題用紙に視線を落とした。

あー、笑顔を向けられたら…心臓が跳びだしそうだよっ。

彼の笑顔を元気の源にして、シャーペンを握りしめた。


森君は学年でかなーり頭がよくて、スポーツ万能の優等生君。

ちなみにと眼鏡を外したらカッコイイとの噂。

ひそかにファンが居たりする。


そんな彼に只今、勉強を教えてもらっている私は彼と比べて、学年でかなーり頭が悪くて運動音痴。






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あきゅろす。
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