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変態ホスト

「やぁハニー。元気かい?」

「やめて下さい。オレはハニーじゃありません。離れて下さい」

ホンキートンクのテーブルでオレの肩を気安く抱いている鏡さん。
この人も赤屍さん並みにヤバい雰囲気をしてるから、逃げることができない。

しかも、何を勘違いしてるのかオレをハニーだと言う。
この人、昼間っからホスト全開だよ…。


「ハニーは今日暇かな?」

「だから、ハニーじゃないですってば」

「俺がハニーを間違えるハズないだろう?」

あぁもうこの人絶対おかしいよ。
はぁ…、蛮ちゃんがいてくれればなぁ……。

パチンコに出掛けた相棒を思いながら溜息一つ。

「おや?溜息なんかついちゃダメだよ。幸せが一つ逃げてくから」

「オレは早く鏡さんが離れてくれれば幸せになりますよ」

「辛口だねハニー」

「だからハニーじゃないってば」

こんな会話がいつまで続くやら。
早く蛮ちゃん帰って来てと願うオレ。

と、その願いが叶ったのか蛮ちゃんが帰って来た。

「あ、帰って来ちゃった」

「鏡さん、蛮ちゃんが来たので早く離れて下さい」

「ん〜、わかった。じゃあねハニー」

ニコニコしながらオレから離れて行く鏡さん。


だからハニーじゃないって…。
卑弥呼ちゃんの気持ちが分かるよもう……。



と考えたのも束の間。










チュッ










「ッ…!?」





「今度は2人っきりでデートしに行こうね」





ホッペにキスされた。



蛮ちゃんは気付いてなかったらしく、横を通り過ぎて帰っていく鏡さんをチラリと見ただけでオレの方へ向かって来た。

「なぁ、今のホスト野郎じゃね?」

「……………」

「銀次?」

「卑弥呼ちゃんは大変だね、蛮ちゃん……」

「…は?」





女の子に同情。



同時に鏡さんに対するイメージが固まった。
















あの人、変態ホストだ。








END
メルマガより


あきゅろす。
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