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Start of love
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尚人のせいで、高梨が好きなのかも?(でも疑問系)と思い出したのは八月が始まってすぐの事で、夏休みが終わる頃には高梨が好きだと言う断定系に変わっていた。

思い起こせば、最初から俺は高梨が好きだったのかもしれない。

別に男が元から好きだとかそんなんじゃなくて、高梨の堂々とした所とか、怖いけど自分の意見をちゃんと述べれる所とか、類稀な顔の良さとか、そういうのに憧れみたいなものを持ってたんだと思う。

それが何時からかよく話すようになって、嫌いな授業をサボる意外にルーズな所とか、下手に周りに暴言を吐いてしまう不器用な所とか、実は周りと上手く接せない自分を密に気にしてる所とか、そういう内面を知っていって。

なんか自分でもよく分からないけど、憧れが恋の好きに変わって、それでこんな高梨の事ばっかり考えてしまったんだろうな。と思う。

と言うか、そうなんだ。

自覚したらむくむくと気持ちが膨らんで、自分でもどうしようも無い。
高梨と話したいなと思うけど、既に嫌われてるわけだから話し掛ける勇気もないし、高梨に不快な思いをさせるのも嫌だ。

だから二学期が始まっても、俺はほぼ尚人と一緒にいる。そして技をかけられまくっていた。

尚人は以前よりは怠そうに技をかけてくるから何故かと問えば俺が抵抗をしないのがつまらないらしい。

ほんとSだな尚人。


「魚、尚人が捌いてくれよ。俺グロいの無理」

「俺だって無理だっつーの。バナナ剥く係が良いし」

「猿かよ。もう料理じゃないよな、それ」


面倒臭がりの尚人にエプロンを付けてやりながら、調理室で包丁とまな板なんかの器具の準備をする。

今日は高梨の苦手な調理実習で、高梨の姿はやっぱり何処にも無かった。
多分また何処かでサボってるんだと思う。


「つーか包丁とか怖ぇ。調理実習で殺人とか洒落になんねぇわ」

「安心しろよ、先ず起こらないから」

「それはそれでつまらねぇな。七橋、ちょっと俺に殺されてみるか?」

「俺は殺られる前に殺る主義だよ」


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