[前]夜空舞う、銀の蝶
夢ノ中
青い薔薇が一面に咲いていて、水の上にいるみたい。
空は暗い、夜空。
月と星が輝いている。
沢山の蝶がいて、色が違う。
そんな場所に不釣り合いな真っ白なベンチ。
ベンチに座っているのは
紅と蒼の、子供。
「…おや」
ベンチに座っていた子が振り向く。
「…君は、誰です?」
私?私は…
…あれ?
ダレ、ダッケ?
自分の手を(たぶん)見れば
空間が歪んだような、そんな感じになっていた。
「もう一度聞きます…
君は、誰ですか」
私、は…
「夜空…悠嘉…」
蒼の子は、にっこりと微笑んだ。
「悠嘉、良い…名前ですね」
久しぶりに呼ばれた、本当の名。
(忘れかけていた)
(私自身)
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