[前]夜空舞う、銀の蝶
2
体育の授業が終わり、野球の決着がついた。
…勿論、ツナがいたチームの負け。
負けたチームの奴等はツナに、お前のせいだ、と言っていた。
…それは、違う気がする…
ツナが入って負けるなら、入っても負けないように頑張りゃ良いじゃん。
皆、負けた事をツナのせいにして
逃げてるだけだ。
(゙逃げる゙………私も、逃げた……)
ツナが一人でトンボがけをやらされる事になったから、私も手伝いに行った。
「ツナ!手伝うよ」
私がそう言った時、
私の声が誰の声と重なった。
「助っ人とーじょーっ」
…そう。
野球少年、山本武と。
「蝶に山本!?」
私達の登場に驚いたツナだけど、すぐに武君に謝った。
オレのせいで、と。
武君は、たかが体育だろ、とツナに言ってくれた。
そして、自分の注目株だと言った。
「最近
おまえスゲーだろ?剣道の試合でも球技大会でもさ
オレ、おまえに赤マルチェックしてっから」
ツナは、えっ、と驚いた後に顔を赤くしていた。
(ツナ…)
(嬉しそう…)
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