[前]夜空舞う、銀の蝶
3
ダダダダダッ…
ダッシュ。とにかくダッシュ。何がなんでもダッシュ。
咬み殺されるとしても、廊下を走るしか…
間に合う方法がない。
「…?コーヒーの匂い…!」
コーヒーの匂いを辿っていけば、ツナと京子がいた。
リボーンは…
この中だなι
恭弥先輩に怒られたって知らないぞ。
そうこう考えている内にツナと京子は体育館に向かってしまった。
「あ!ヤバッ」
私も急いで二人に着いていった。
──ツナが扉を開けると
ツナを期待する人からの喚声。
恭弥先輩が見たら、群れすぎ、とか言って咬み殺しそうな人の数だな…
「…!」
体育館の中に入ると、少しだけど煙草の匂いがした。
匂いがする方を見ると…
懐かしい、彼。
私には気付いてないみたい。
「久しぶり、
隼人君」
「…
あれがファミリーの10代目か…
…!?」
私は隼人君にポケットの中に入れておいた小石を投げた。勿論、彼に当てる為ではなく
彼の吸っている煙草の火を消す為だ。
それでやっと、彼が私に気付いた。
(蝶、か?)
(久しぶりだね)
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