[前]夜空舞う、銀の蝶
イタリアから来た赤ん坊
「綱吉───
学校から電話あったわよ」
そう言ったのは綱吉の母の奈々さん。
奈々さんはトントン階段を上っていった。
ガチャッ
「母さん、別にいい高校や大学に行けっていってるんじゃないのよ」
「だまって部屋に入るなよ!」
「あんたみたいに退屈そーにくらしても一生
楽しくくらしても一生
蝶ちゃんみたいにしっかりくらしても一生なのよ!
ああ生きてるってすばらしい!と感じながら生きてほしいのよ!」
奈々さんの言い分は正しいと思う。
…きっと奈々さんは
楽しくくらしても一生
の方だな。
「そーゆーこと、人前で言わないでね。はずかしいから」
「ツナ、失礼だよ」
「蝶!」
「蝶ちゃん♪」
私が姿を現わせば
ツナは目を丸くし、奈々さんは
なんて良い子!流石、私の(親友の)子!
と抱き付いてきた。
「蝶、いつから…」
「さっきだよ。窓から入ってきたの」
お邪魔しますって言ったよ、と言えば
そーゆー問題じゃねー!!とツナのツッコミが返ってきた。
「そうだわ!ツーっ君
………今日、家庭教師の先生くるの」
奈々さんが両手を顔の横に上げて言った。
(家庭教師!?)
(ついに…来る。彼が)
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