[前]夜空舞う、銀の蝶
3
「そうだ…掃除。手伝うよ」
「えっ…良いよ!蝶は仕事に戻って」
蝶はいつもオレに優しくしてくれる。
でも、蝶にだって風紀委員の仕事があるんだろうし…
いつも頼ってばっかじゃいられない。
「…そう、わかった。頑張ってね、ツナ」
「ありがとう蝶」
パタン、と扉が閉まり、モップがけを始める。
「え──おかしいかな」
「!」
窓の外から聞こえてきた声。
───笹川京子だ。
蝶に頼ってばっかでダメなオレが
なぜ学校に来るかと言えば
笹川京子を見られるから。
なんたってかわいくて
無邪気な笑顔は
サイコー!!
「おまたせ、京子」
「あ、持田センパイ」
手を振りながら現れたのは剣道部主将の持田センパイ。
オレはその場に座り込んだ。
「やっぱ剣道部主将とできてたんだ
もう学校にいる意味ねーなー、帰ろ」
(…ツナ…)
私は扉からツナを見ていた(断じてストーカーなどではない)。
やっぱり、今日が
始まりの日
なんだ。
…沢田家に行けば、彼がいるのかもしれない。
…ツナ。
頑張ってね。
私も…
(皆を守る為に)
(頑張るから)
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