[前]夜空舞う、銀の蝶
2
「君達、そこで何してるの?」
「!!」
ドアの隙間から聞こえてきた声。
それは並中で恐れられている存在…
…雲雀恭弥の声だった。
「っヒバリだ!にっ…逃げろ!」
「咬み殺されるぞ!」
さっきまでツナを囲んでいた男子達は一目散に逃げ出した。
「ヤ、ヤバいっ…」
ツナも逃げだそうと走り出した。否、走り出そうとした。
「待って、ツナ」
ヒバリの声が聞こえてきた方向から
女の声が聞こえた。
しかも、
小さい頃から良く聞いていた声…
「ぁ…蝶…?」
「正解♪」
彼女、夜空蝶は
真っ黒なセーラー服を身に纏い、真っ白な笑顔で
ドアから出てきた。
「蝶!ヒ、ヒバリさんは!?」
オレがそう言えば蝶はクスリと笑った。
「いないよ、恭弥先輩」
…いない?
頭に?を浮かべたオレを見て蝶は言った。
「さっきの声、私。似てたでしょ?」
?
さっきの声…
ヒバリさんじゃなくて…蝶!!?
オレは、へたっ…と床に座り込んで笑った。
(うん、似てた)
(でしょ?)
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