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[前]夜空舞う、銀の蝶
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「あら…?いないみたいね…」

ルッスーリアさんはキョロキョロと辺りを見回した。


「ここにいないけど、次男のレヴィ・ア・タンがいるのよ♪」

レヴィ、って呼んであげてね♪
と言われた。


レヴィさんって…
…あれか。ボス命のオヤジ。あれは…生理的に、無理。
ごめんなさい、レヴィさん。



「蝶ちゃん、蝶ちゃん」

「はい?」

ルッスーリアさんがにっこり笑って、一人の小さな子供を引っ張ってきた。

フードを深く被っていて、顔が良く見えない子。
フードから出ている髪は、銀色の様な黒髪だった。


「この子は冬夜或音って言うの、アルって呼んでね♪たぶん、蝶ちゃんと同い年ぐらいよ」


アルさんはコクッと頷いた。


…冬夜或音。
漫画にはいなかった人物。


さっき、私の名を聞いて反応したのは
この人だ。



…アルさん。
何者なんだろう。



「ほらアル、姫に挨拶しろって」

ベルさんに言われて軽く会釈した。


「アル、君がこの娘を送りなよ」

マーモンさんが言えば、アルさんは私の手を引き、歩き出す。





「…俺が送らないで、誰が送る」



揺りかごに関わってないヴァリアー隊員は、俺だけなのだから。








(揺りかご時は)

(大切な、任務があった)

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