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[前]夜空舞う、銀の蝶
3


「私は夜空蝶と言います」

私が名前を言えば
一人、反応した。



「私は母親のルッスーリアよ」

(…母親?)


ルッスーリアさん。皆さんが睨んでますよ。



誤解を招くような事言うんじゃねぇ!!


って。


「で、この長髪の子が我が家の長な「スクアーロだ」」

遮らないでよ!と怒ったルッスーリアさん。
皆さん、変な事を言われたくないらしい。

「王子はベルフェゴール。ベルって呼びなよ?ヨロシクな、小さなお姫様♪」

!!?

私が、姫?

ないない。私、そんな柄じゃないんで。

「んでコイツが…」
「マーモンだよ」


ベルさんの腕の中にいる、小さな赤ん坊
マーモン。

アルコバレーノの一人。本当の名は、バイパー。

(…ちっちゃくて、柔らかそう…)

じっとマーモンさんを見つめれば、
抱いてみる?とベルさんがマーモンさんを差し出した。

「ぃ、良いんです、か?」

「今日は特別だよ、蝶」

差し出されたマーモンさんをぎゅっと苦しくならない程度に抱き締める。
…凄く和む。


「えへへ…」

自然と笑みが零れた。


それを見ていた、ヴァリアーの面々は皆、

可愛い!!


と思ったらしい。







(温かくて、柔らかくて)

(お餅みたい)

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