[前]夜空舞う、銀の蝶 2 「ココ、何処?」 「知らないわよ」 目の前に止まった黒い車に無理矢理乗せられて連れて来られた場所は… たぶん、何処かの倉庫。 薄汚くて、暗くて、凄く嫌な感じ。 「大人しくしていろ」 …こんな状況で大人しくしている私じゃぁない。 誘拐されたなんて、九代目に申し訳ない。きっと優しい九代目なら心配している事だろう。 私の横にはビアンキさんと隼人君がいる。 縄で手首を縛られているが、縄抜けの方法は知っていたから事前に縄を緩くしていた。 私達の周りには男一人。 (随分嘗められてるな…) スッと縄を取って、気付かれないようにビアンキさんに近付いた。 (ビアンキさん) (…何?) (ポイズンクッキング…出来ますか?) (…わからないけど、料理ならあるわ) (なら、それを奴等にぶつけて下さい…後は私がなんとかします) …勝算は、ある。 ビアンキさんと隼人君の縄をバレないように解く。 隼人君にダイナマイトを使えるか、と聞いたら、使えると言った。 …よし! 作戦開始だ!! (私の力) (甘く見ないでよね) [*前へ][次へ#] [戻る] |