[前]夜空舞う、銀の蝶 迷子 「ふーん、日本[ジャッポーネ]から…」 「うん…」 …今、取り敢えず事情を説明中。 てか獄寺君とビアンキさん、一緒にいて大丈夫なんだ。 …そうだ、初めてポイズンクッキングを食べるのは6歳の時だ。今は私と同い年だとすれば…5歳だもんね。 「わかったわ、私達もそのおじいちゃん探しを手伝うわ」 「有り難う、ビアンキさん」 「ケッ…」 獄寺はこの頃から口が悪いのか? てか今って獄寺なのか? ビアンキの母親の子って事になってるから…名字違う? じゃあ… 「…隼人君」 「あ?」 「宜しくね」 笑ったつもり、 手を差し出して(たぶん)微笑んだ。 隼人君は固まって、手で顔を覆って 握手してくれた。 …やっぱり、ピアノ向きの手だ。 この手を…血で濡らす事になるのだろうか… 「九代…じゃない、おじいちゃーん」 「蝶のおじいさん、いませんかー」 「…」 右にビアンキさん、左に隼人君、真中に私 という順番で手を繋いで歩いた。 未だに九代目が見つからない。 もし、見つからなかったら… 野宿? いやいやいや。野宿は無いっしょ。 無理だよ。無理無理。 一人で暗くなっていると、 目の前に黒い車が一つ、止まった。 (あぁ) (また一波乱起きそうな予感) [*前へ][次へ#] [戻る] |