[前]夜空舞う、銀の蝶
2
「シャマル──!!
起きろ!死ぬならせめてオレの病気治してからにしろ───!!!」
…って、両手に広がってきた〜
と慌てふためくツナ。
なんか…ごめんなさい(笑)
(笑ってんじゃん!謝る気ないだろ!!)
その時
「おーイタタ…
お嬢ちゃんそりゃねーぜ…」
むくり。
とシャマルが起き上がった。
そのシャマルにツナはすがりついたが、シャマルは男は診ないの一点張りだった。
しょうがない。私も頼むか(本当は頭を下げるなんて絶対にイヤ)。
「シャマルさん…」
「なんだい嬢ちゃん?」
「…ツナの病気を治して、下さい…」
お願いします、と頭を下げれば、ん〜、と唸り
ぽんっと手を叩いた。
「良いよ」
「本当ですか!!」
「!!」
シャマルが、本当だ、と言ったので私とツナはやった!と喜んだ。
その様子を見ていたシャマルは、だが、と言葉を続けた。
「条件付きだ」
「…条件?」
眉間に皺を寄せて尋ねると、シャマルは笑顔でこう言った。
(おじさんに)
(キスしてくれたら治してやるよ)
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