[前]夜空舞う、銀の蝶
腕前最悪!
───私が言いたかったのは、
ビアンキさんの射的の腕が最悪だと言う事…
ズキュキュキュキュンと銃を乱射するビアンキさん。
ビアンキさんが撃った銃弾は正一君の眼鏡に当たって、割れた。
正一君は電話をかけたみたいだが、またもや相手にされず
切られてしまったらしい。
…まぁ、普通信じないっしょ
こんな状況。
とにかく私は彼を危険な目にあわせるわけには行かないので…助ける事にする。
「正一君、立てる?」
「え…?は、はい…
…あれ、なんで名前…」
「そんな事どうでも良いから!早く!」
立ち上がった正一君の手を握り、走り出した。
「まっ、ちょっ…早…!」
「ごめんなさい!私、貴方を死なせるわけにはいかないの!」
「は?死なせ…?」
こっちの話!と銃弾を避けて走り抜けた…
*
「…ふぅ、もう大丈夫…」
隣を見れば、荒い呼吸をしている正一君が目に入った。
「ごめんね正一君!」
「だ、大丈夫…それより…
…あり、がとう…」
…!
「どういたしまして!」
(それで…あれは何だったの?)
(んー…秘密!)
091211
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