[前]夜空舞う、銀の蝶
3
「いつもあーなのよ、変な子」
「アネキ…アネ…?ってことはつまり…」
ツナがこっちを見てきたので私は頷いた。
「え゙────っ
獄寺君とビアンキって姉弟なの〜〜〜!??」
「そうだよ」
「腹ちがいのな」
*
隼人君を探して神社に行くと、木の近くに隼人君がいた。
ツナが隼人君に謝罪すると
隼人君はビアンキさんとの間に何があったか話し始めた。
「アネキとは8歳まで一緒に住んでました」
うちの城ではよく盛大なパーティーが行われたんですが、オレが6歳の時初めてみんなの前でピアノを披露することになったんです。その時、アネキが初めてオレのためにクッキーを焼いてくれたんです。
「隼人のために焼いたんだよ、食べて」
「ありがとう」
それが彼女のポイズンクッキング一号でした─…
(…実は、それは二号だったりするが…
隼人君は覚えてないのか、見てなかったのか…)
…私の脳内には、彼女のクッキーが浮かんだ。
小さな隼人君は、なんの疑いもなく
ソレを口にしたのだろう。
(可哀相…)
(…ドンマイ、隼人君)
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