小説
愉楽 ♪(一万打企画)
1万hit フリリク作品です。
リクは戦国時代『鬼の宝』の続きでした。
大変遅くなり申し訳ありません。
リクエストありがとうございました!






長い船旅を終えて懐かしい自国へ戻った自分を待ち構えていたのは、内政を任せている家臣たち。
この度はいつにも増して楽しまれてこられたようで、なんて嫌みったらしく言われると顔を逸らすしかない。
流石に奥州までの旅路は長かった。自分の海賊行為を渋々ながらも認めてくれている重臣達が、しばらく船禁止令を出すほどに。
文句を言う間もなく堪った仕事を片付けてくれと執務室へ軟禁された。
これは、しばらく動けないなと諦めた。



「元親様」
「谷か。今日はこれくらいで勘弁してくれよ」
山積みされていた書類を読み続けて疲れてしまった目を額をぐりぐりして解す。
一日で片付けれる量でもなし。これ以上は無理だと訴える。
「では、最後にこちらだけお目をお通しください」
差し出された書簡には見覚えのある家紋。それだけで書かれている内容に見当がついた。
「またお姫さんを返せって?」
「…元親様が船で出られている間、幾度も使者が訪れました」
「はっ、ご苦労なことだ」
自分の領土となった瀬戸内海の先、中国のある方向へ目を向ける。
「こっちが派遣した奴に従うことを条件に毛利の家臣は残留、当主の身柄はこちらが預かる。そう取り決めたんじゃなかったか」
「…他のものを人質として寄越すので、毛利殿だけは返してもらいたいと。報復を懸念しているのなら、蟄居させると申しております」
「蟄居…ねえ。だったら安芸にいようが土佐にいようが変わらねえだろ」
自国と敵国、大きく変わるとわかっていながらうそぶくと、谷は困ったような表情をした。よほど強く嘆願されたらしい。
「なあ、単純に考えてみろ。あいつほど価値のある奴がいるか?」
どんな重臣であろうと、毛利の血脈のものであろうと、代わりになどならない。毛利の抑えとして価値を発揮するのはただ一人。
「だから、あの女はここにおく」
これでこの話は仕舞い、と立ち上がる。谷はそれ以上は何も言わず平伏した。





先ほどの話題の主、毛利の女当主であった元就に与えた室を訪れると、布団に座っていた人影が振り向いた。
「ゆっくり休んだか?」
じりじりと近寄ると、綺麗な顔が僅かに怯えるのが見える。
隣に座り込み肩を掴んで引き寄せる。仄かに甘い香りが鼻腔をくすぐった。
悪戯に胸元を弄ると、腕の中の身体がびくりと震える。
朱に染まった頬に口元が上がる。
「なんだ、期待してんのか」
「っ……だれ、が!」
顔を背け可愛くないことを言う。だが胸を弄る手が動くごとに身体は反応している。
仕込み続けてきた甲斐があるというものだ。
「へえ、何にも感じないって?」
「ああっ!」
布地の上からぎゅっと突起を強く摘むと、背を仰け反らせて大きく喘いだ。
己の行動を恥ずように元就は手で口を押さえ俯いた。
「嘘は良くねえなぁ」
顎を掴み顔を上げさせると、恥ずかしさと悔しさが入り混じったように顔を歪め目を潤ませていた。その表情にぞくりと言いようのない衝動が背を走る。
噛み付くように唇をあわせた。閉ざそうとする口を顎を押さえて無理やり開かせ、舌を絡め取る。苦しそうに歪められる顔。口から溢れ垂れていく涎。
「ん、く…」
苦しそうな声が上がったところでようやく解放してやると、軽い酸欠になっていたのかがくりと細い身体が力をなくして崩れる。
倒れる前に抱きとめ、片手ですでに肌蹴ている衣を脱がせていく。
露わになったのは白い肌。しかし普通の女と違うのは、滑らかな肌には幾つもの傷跡があること。
傷跡を辿るように手を滑らせていく。敏感に感じるのか、単純に触れられるのが嫌なのか、元就は耐えるように目を閉ざしている。
下肢までたどり着いた指を、徐に秘部へ突き入れる。短い悲鳴が聞こえた。まだ慣らしていないのだから、痛むのだろう。
「う、ぐ…ぁ」
身体は強張り痛みに耐えるためにしがみ付いてくる。
指を抜いては突き入れを繰り返す。その度に苦しそうな声が上がる。涙が零れるのが見えた。

可哀想。

不意にそんな言葉が浮かんだ。次の瞬間、自分がそんな風に思ってしまったことに笑った。
元就をそんな目に合わせているのは紛れもなく自分だし、なにより自分はその行為を楽しんでいる。
どうにも苛めたくなってしまうのだ。顔を歪ませて思い切り泣かせてぐちゃぐちゃにしてしまいたい。元就を見ているとそんな衝動に駆られる。



「い、ぁ、ぁあ」
苦しそうだった声に徐々に艶が帯び始める。
指の挿入も徐々に楽になり、身体が慣れ始めたのを知る。
ならば、と指を増やす。
「あ、ああっ…は、あ…」
身体を屈めて胸の突起を口に含み、舌で弄ると、完全に痛みから快楽へと移行したらしく、元就は俺の頭を抱えて喘ぎ始めた。
「ひぃ…や、やぁ…」
快楽に弱くしたのは自分だ。幾度も抱き、弄り、禁欲的だった元就に愛欲を教え込んだ。
あれほどに気高かった女が堕ちていく。
「ふっぅ…うぅ…」
ぼろぼろと泣き崩れる元就の姿に、満たされていく自分を感じる。




「ひあ、ああぁっ!は…っ、ああっ!」
背後から突き入れた肉茎をガツガツと律動させ細い身体を思う様 揺さぶる。
元就は腕では身体を支えられなくなったようで既に肩が床についている。
「あ、あぅ…い、いやぁっ…いや!」
絶頂が近いのか蜜壷の締め付けが強くなる。その感触を深く味わいながら腰を揺らす。
「もうイキたいか?」
問いかけると、元就は身体を小刻みに震わせて遠くを見つめ、答えようとしない。まだ残っている理性が素直に頷くことを拒むらしい。
ならばと腰を一度引き勢いをつけて突き入れると悲鳴のような声が上がり耐え切れなくなったようにこくこくと首を縦に振る。
「そうそう。素直になれよ」
「ぅ、うぅ…っ!」
「いいぜ、イっても。俺も…たっぷり中に出してやるからな」
その言葉になにを思ったのか、目を見開き身体を強張らせた。だが次の瞬間には快楽にのまれ再び喘ぎだす。
「あ、ああぁっ!!!」
絶頂の瞬間の一際強い締め付けを目を閉じて味わい、己も精を吐き出した。



この女が己の子を孕む姿を想像して、恍惚となりながら。





END




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