小説
愛こそ全て2 ♪
「元親、もっと…触れて、我にそなたの愛を…ああっ」
元就の菊座に呑み込ませた指を動かすと膝の上で元就がびくびくと跳ねる。
「幾らでも愛してやるよ」
喘ぎ続け閉じることのない唇に噛み付くように口付け、舌を侵入させる。
触れ合った舌を嬉しそうに絡ませ深く深く唇を合わせる。その表情は陶酔しきっている。
ザビー教への信仰には波があり、普段は本来の日輪信奉者、冷静沈着、清廉潔白、意地っ張りで可愛げ我なくてでもそこが可愛い毛利元就なのだが、ふとした拍子にザビーへの信仰に目覚め九州へと船を出す。
そしてザビーの話を聞き、愛に目覚めた愛の使徒『サンデー毛利』と化すのだ。
多分、疲れているときや寂しくなったときに支えが欲しくなり、でも素直に誰かに頼ることが出来ずザビーへの信仰に走ってしまうのではないかと思う。
恋人であるこちらとしては、素直に自分の下へ来て欲しいとか怪しげな宗教に頼らなくともとか思うところは確かにある。
けれど素直になれないから元就なのであり、『サンデー毛利』としてめちゃくちゃやらかすのも溜まった苛立ちやら何やらを吐き出す手段となっているようなので、とりあえず黙認している。
まあ、愛の使徒とか言いだしても周囲に愛を発散させるわけではなく、自分に対して素直に愛を吐露するだけなので放って置けるというのもある。
これが誰彼構わず愛を告げだしたりなんかしたら自分も黙ってはいられないだろう。



ぐいっと強く腕の衣が引かれた。
見下ろすと、腕の中で元就が不満そうに見上げている。
「我と、いるのに…なにを、考えて…」
物思いに耽っていたのが悪かったらしい。元就は言葉こそ文句を言っているが、目は不安そうに揺れている。
安心させるように額に口付けて頭を撫でる。
「元就が可愛いから、見惚れてたんだ」
途端に顔が火照る。素直な反応だ。
「…われは、さんでー、もうり…ぞっ」
「はいはい。でも俺にとっては元就なの」
ぷくりと立ち上がった乳首を弄り菊座に更にもう一本指を増やす。
「ああっ…もとちかぁ…」
「元就、愛してる」
腹に擦り付けられた元就の陰茎がびくりと揺れる。達しそうなのだろうか。
陰茎を握り、絶頂を封じる。
「いや、元親っ!」
触れられたことで更に膨れ上がったが、達することの出来ないよう押さえ込んだので苦しそうに元就は呻いた。
「こっちを気持ちよくしてくれてから、な」
腰を動かし元就に自分の膨らみが分かるように触れさせる。
「あぁ……」
それを感じ取ったのか、感嘆するような声を上げ、背中に回していた腕を下ろす。
少し身体をずらし、俺の着物を腰から肌蹴させる。立ち上がった陰茎を陶酔した様子で眺め手に触れる。
「くっ……」
行き成りの直接な刺激に声が漏れた。
「元親、早く…」
雄同士を擦り付けるように腰を動かしうっとりとねだる。
「わかったよ。ほら、手を離しな」
言われるままに手を離したので、菊座に埋めていた指を抜きさる。ああ、と切なそうな声が上がったが次の刺激を期待してか目は潤んでいる。
片手で元就の細い腰を持ち上げ菊座に陰茎をあわせる。ゆっくりと腰を落とさせ飲みこませていく。
「ああぁ…もとちかぁ…」
絶頂を迎えるくらいの刺激だったのだろう。手の中の元就の陰茎はどくりと跳ね、けれど達することは阻まれひくひくと揺れている。
「元親、あ、愛してる…愛して…ああっ」
堪りかねた様に身体を動かし始めた元就にこちらも煽られ、腰を動かす。
「もとちか、もとちかぁっ!」
「ああ、愛してる」
ぎゅうっと元就の身体を抱きしめ、強い締め付けを味わって元就のなかで絶頂を迎えた。





目を開けると辺りは薄暗かった。
隣ですうすうと眠っている元就の身体を自分のほうへ寄せ、腰の辺りまで下がっていた毛布を肩まで引き上げる。
さて、今度はどのくらい『サンデー毛利』でいるのかと思案する。
だいたい一週間くらいはこの調子で、その間はずっと愛を確かめるためとか愛を伝え合うのだとか言って昼夜問わず元就の望むまま自堕落な生活を送ることになる。
そして元就の気が住んだ頃、『サンデー毛利』から毛利元就に戻るのだ。
正気に返った元就はいた堪れず落ち込んで部屋から得ようとしなくなるのが常。それを一日くらい掛けて宥めてあやして、ようやく元就はいつもの調子に戻る。
その辺の事情はうちの連中も毛利の連中ももう慣れたもの。
しばらくの間は政務も海賊行為も休んで、元就のための時間を過ごすのだ。


まだ夜が明けるまでは時間がある。
子供のように眠る元就の額に口付けを落とし、再び襲い来る眠気に身をゆだねた。





END








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