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キリリク
よろずユタカ様へ(600Hit)

よろずユタカ様、毎度ながらキリ番&リクエストありがとうございます♪
さて、細かいことは置いておいて、早速リクエストの赤桃コンビの雑談です。
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昼をいくらか過ぎた頃、琉謌が自分の部屋で読書をしていると、扉をノックする音と共に、外から茗の声がした。

「琉謌、ちょっといい?」

「ええ、入ってきても大丈夫よ」

琉謌はそう答えると、開いていた本を閉じて扉の方を向いた。
それと同時に扉が開き、茗が部屋に入ってくる。彼女の手には一着の衣装と、装飾品をいくつか入れた箱があった。

「ちょっと相談なんだけど、この服にはどの髪留めが合うと思う?いつもと違う感じの服だから、あんまり色合いがピンと来なくて…」

確かに彼女が手にしているのは普段よく身に付けている明るい色の服ではなく、白を基調とした衣装だった。繊細な模様と大柄な花の刺繍が地の生地に映えている。

「その衣装…出来たのね」

それは普段から贔屓にしている仕立屋が茗にどうかと持ち込んできた布で作られた衣装だった。

その仕立屋も琉謌たちと同じように姉妹で経営しており、二人と年齢も近いことから日頃から懇意にしている。"普段はあまり着ない色合いかもしれないけど、絶対に似合うと思って"
と茗に力説していた彼女らの様子を思い出して、琉謌は知らず笑みを浮かべていた。

「さすが、綺麗に仕立ててあるわ」

そう言って衣装を見ると、茗も嬉しそうな表情になる。

「そうなの。やっぱり腕がいいわよね。だから早速着たいと思ったんだけど、これだけ綺麗だと何を合わせればいいのか悩んじゃうのよ」

茗はそう答えながらも愛しげに衣装に触れる。

大きな店を切り盛りする彼女ではあるが、やはり二十歳の女の子らしい面もあるのだと、同い年にも関わらず琉謌は微笑ましい気分になった。

そして、彼女が持ってきた髪飾りを見る。
茗は普段はあまり飾り気のない衣装を上品に着こなすため、装飾品は逆に大振りで目を引くものが多い。特に花を模したものが彼女のお気に入りで、そこにあるのもそんな髪飾りだった。

ただ、衣装に使われている色合いに良く似た色の単色のものばかりで、出来るだけ衣装を引き立てるようにしたいのであろうことが読み取れる。

「なるほど、あまり目立つものは使いたくないのね」

思ったことをそのまま口にすると、茗は大きく頷いた。

「そうなの。だって、この刺繍自体が素晴らしい装飾じゃない?だからそれを活かしたいのよ」

彼女の言葉は尤もだと思いつつ、琉謌は茗の持ってきた髪飾りを手に取りながら衣装と装飾品の組み合わせを脳内に思い描く。
いくつかの案を浮かべたところで、ふと思い出したものがあった。

「ちょっと待ってて」

茗にそう告げて自身の衣装箱に向かうと、奥の方にあった髪飾りを手に取って茗に持っていく。

それは、押さえた風合いで光沢のある白い布を幾重にも重ね、更に単色の組み紐を合わせたもので、組み紐の色が茗の衣装にあしらわれた花の花弁と同じような色をしていた。

「これはどう?」

それを衣装の少し上にかざして茗に示すと、彼女はパッと明るい笑みを浮かべた。

「いいかもしれない。ちょっと合わせてみてもいい?」

「ええ」

どうやらその髪飾りを気に入ってくれたらしい。琉謌の返事を聞いた茗は、衣装と髪飾りを身に付けるべく自分の部屋にとって返した。

それを見送った琉謌は、恐らく彼女の今日の衣装はあれで決定だろう。それならば自分は何を着よう…などと思案しつつ琉謌は自分の衣装を眺めるのだった。

-Fin-
―――――
はい、赤桃コンビのガールズトーク(?)でした。
年の近い(…というか二人は同い年ですが)若い女の子が同居してたらこんなやり取りもアリかな〜と思いつつ書きました。

ちなみに、作中に出てきた仕立屋の姉妹は某亜種をイメージしていたりします(笑)

さて、お楽しみいただけたでしょうか?少しでも気に入っていただければ幸いです♪

キラ





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あきゅろす。
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