Present by神上あきと




さよなら






・・暗黙。


それは世界が終わった日だった。




僕にとっての、すべてが




終わった日だった・・・







「キラ・・」


偽りのやさしい声。




「きら・・っ!」



悲痛にも聞こえる叫び。



かなしい、声だ






ゆめを見る


きみと幸せに、暮らしてるゆめ



笑って――・・




そこには少しも偽りはなくて






「笑って、るんだ・・・・」





きみが



しあわせそうに





「行きたい・・」


(、帰りたい)



帰りたいよ、フレイ






そんな世界が、あったなら。



なんて幸福で、
幸せなことだろう。




「偽りなんかじゃ、なくて」





本当に
ほんとうに





僕はきみを、愛してたんだよ。





それだけは、偽りなんかじゃない



もう少しで届かなかった手が悔しくて




泣き続けた




(もう届かないから、)




その愛しい指先に、声に、髪に、



二度と触れることはできないから。







きみが消えたとわかった時



僕の世界はきっと終わってしまった。








(あいたいあいたいあいたいあいたい)




会いたい、フレイ




言えなかったことが、あるんだ




僕はまだ





離れたくない、





「いやだ・・っ!いやだ!フレイ!
戻ってきて・・・僕が、僕が守るって・・




言った、のに




守れなかった。たった一人、大切な人を


死なせてしまったんだ。






(、戻ってきて)







叫んでも届かないのだと

悟ったのに







どこからか、聴こえた気がした




(、ごめんね)





キラ、ごめんね・・・・





どうして謝るのかは
わからなかったけれど




しあわせだった、と



愛してたと








(、よかった)



これで、もう偽りはなくなるね



僕たちの痛くてかなしい夢は、

きっともう終わったんだね






(さよならだ)





でも




また始まる







手をつないで



まだ、温かさが残る頬に






一粒だけ、涙を流した








きみはいなくなっても




(、何も変わらないよ)





僕に残った、愛だけは
















フレイ・・

今、君はどうしてる?






僕はまだ、赤色の哀しい華を



愛してるよ・・




END.


キラフレ愛祭*用に僭越ながら
書かせて頂きました。主催としてはシリアスお題で暗くしてしまって
苦笑・・という感じなのですが(笑)。楽しかったです★

2人はかなしいけど、そこが私が一番好きな
理由かもです。
本当に愛し合うって、素敵ですね・・。


2008.02.03



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