Present by紅乃未来




こんな夢をみてる






目をあけた時広い草原にいた。
見渡しても…アスラン、カガリ、ラクスもいない。
呼んでも誰も反応してくれなかった。
僕が知っている砂浜も海も住んでる家もなかった。

一人だけなんだと思ったその時だった………。

〈キラ…。〉


見に覚えがある甘い優しい声。
声がある方にと無我夢中に走り…向かった。
走っても走っても同じ光景で辿り着けないと諦めた瞬間だった。

〈キラ…。〉

僕の目の前に現われたのは…赤い長髪の蒼灰色の少女だった。
かつて僕が愛し…守れなかった少女。

〈フレイ…。〉

思わず涙が出た。
もう二度と会えないと思っていたから。

〈相変わらず泣き虫なんだから。〉

フレイは僕の涙をそっと拭いてくれた。

〈フレイ…。ここは?〉

〈ここはあなたの夢の中。〉

〈僕の?〉

〈そう…。夢だけど。〉


〈え…?〉

〈現実が逃れるためにあなたはここに逃げてきたんでしょ?〉

〈そんなことない…!!僕は…〉

僕は思わず言葉が籠ってしまった。
そう。当たっているから何も言えない。
僕はフレイがいない世界なんて…意味がない。
だから……僕は?




〈キラ…。見て。〉

フレイはある方向に指を差す。

〈光が…。〉

〈あなたは帰らなくちゃ…あるべき場所へ。〉

〈どうして…?フレイも一緒に…!!〉

〈駄目よ。私は行けない。行く資格がない。私は夢の中だけに存在するもの。〉

〈だって…っ。〉

またキラは泣き出した。

〈泣き虫なんだから…。キラは…。大丈夫よ。また会えるわ。〉

〈本当に?〉

〈ええ。だから…あなたはあるべき場所へ。〉

キラは光に包まれた。

〈フレイ…!!!〉

―大丈夫。
きっといつか会えるから。




「キラ…!!」

「フ…。あ…ラクス。僕は…?」

「お部屋で倒れおられていましたのよ?」

「そっか…。ごめんね。迷惑かけて…。」

「いいえ。喉がお乾きなりましたでしょ?今すぐお水を持って来ますわね。」

ラクスは部屋から出て行った。


今でもまだ目を瞑れば君の姿がまだ見える。
いつまでずっと君だけを見ていたい。

だからずっと優しい夢を見続けさせて?


僕はいつまでも愛しくこんな夢をみてる…………。








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