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今まさに牛引きに向けて振り下ろされた剣を、弾き返すしてやる。
均衡を崩した男の右肩から斜めに切り下ろす。
「あなたは?」
「下がっていてください」
一団と牛車の間に滑り込むと、牛引きを自らの背後に押しやった。
「なんだ!?」
「検非違使の連中か!?」
闇の中から突如として踊り出てきた影に、牛車を襲っていた一段は色めきたったている。
その隙をついて、一番近くにいた男の鳩尾に柄で一撃を加える。
崩れ落ちた男の剣を道の端の方へ蹴り飛ばす。
「こいつ、できるぞ!」
「後戻りはできないんだ。蹴散らせ!」
鋭利な音が響き、数本の矢が飛来する。それらを神剣で全てたたき落とす。
「くそ! なめやがって」
斬り掛かってきた男をかわすと、相手の鳩尾に膝頭を叩き込む。
ぐっとうめいて体を折り曲げた男背中に肘落としをお見舞いしてやる。
手からこぼれ落ちた太刀を真っ二つに折ると、別方向から襲いかかってきた男の首の辺りに、容赦なく回し蹴りを食らわせてやる。
地面を転がっていく仲間の姿を目の当たりにして、ようやく実力の差を理解した襲撃者たちは、じわりじわり後退していく。
「去るのなら追いはしない。去れ!」
声色を低くし脅しをかけてやると、戦意をくじかれた一団は一斉に逃げて行った。
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