水曜日 2



「なあ、エド。ここに指入れられるのは、辛くない?」

「…ない」

確認するように聞いてやれば、消え入りそうな声で答える。ぐ。と指先を押し込むとぬめりに簡単に中に入る。エドが息を漏らして中の指に耐えているので、さらに刺激を与えようとゆっくりとほぐすように動かしてやる。

「ここを、こうやってゆっくり慣らして広げていったら、そのうち俺のが入るかもな」

「……っあ」

「一方的にこんな事してると『調教』してるみたい」

低めの声で囁けば、案の定、エドの穴がきゅうと窄まる。ほんとに、安い言葉に弱すぎる。エドの頬や額に唇で触れ、キスを繰り返していたら、胸の辺りのシャツがぎゅっと握られて、何かを伝えたそうな表情。

「それが、いい。」

「え?」

「俺の『ご褒美』、『調教』がいい。先生と一緒に、したい」

やられた。後頭部を鈍器で思いっきり殴られた感じ。あまりの言葉に、ぐらん。と視界が歪んだ気がした。普通、『調教』って褒美になるもんじゃないぞ。『調教』に耐えたから『褒美』ってのはあると思うが。エドは俺と「したい」から『調教』=『慣らしてもらう』という事を短絡的に考えたのだと思うのだけれど。

俺も最終的にはと考えてはいたがこれは、ヤバイ。今すぐ脚を開かせて、乱暴にねじ込みたい。無理矢理でも犯してしまいたい。エドが泣いても嫌がっても、苦しくても辛くても、欲望のままに突き入れて蹂躙したい。そんな凶暴が喉まで上がって来ている。
自分を落ち着ける為に一度穴から指を抜き、エドから手を離した。エドはいきなり中断される愛撫に不安そうに体を起こしてこっちを見ている。

「嘘。ごめん。今のなし。そういうの、だめだよな」

体を起こして、自分の発言が全てをぶち壊してしまったことに不安そうに謝る。ため息をつく俺に向かって手を伸ばそうとするが、触れる事はできない。

「…お願いだからさ、あまり、煽ってくれるな」

エドをぎゅっと抱きしめて、背中をさする。落ち着かなければいけないのは俺の方なんだがな。エドもぎゅうぎゅう俺にしがみ付いて来る。

「無理させたくないんだよ。必ず君の体に負担がかかる。だからこっちは我慢しているんだ」

「しなくていいのに」

「そういう訳にいかないよ。エドは本当に俺の事好きなんだな、嬉しいよ」

可愛らしいカップルみたいな会話をして、優しくキスを繰り返してみたりしているが、内心はエドを無理矢理襲ったらという妄想で一杯だった。泣き喚くエドを乱暴に押さえつけて…ああ、いかんぞこれは。なかなか収まらない。
とりあえず先に進むしかない。エドを転がして、下腹から内腿にかけて舌を這わせる。エドの体は薄く筋肉質でとても美しい。大きさとしては少年なのだが、成長の度合いが中途半端で、その危ういラインが色の白さと相まって色気を増す。
うっとり眺めて時々噛み付くと、体がぶるりと震える。腿を掴んでわざと大きく脚を開くとアナルまで丸見えになる。エドは羞恥に耐えるようにぎゅっと目を瞑って顔を背ける。


「古典、頑張るって約束しろよ」

点数が上がってからの褒美だったけど先にしてやる。お前にはもっと大事は『ご褒美』があるもんな、『調教』というご褒美が。
すっかり勃起した中心を根元から舐め上げる。袋も舐め、桃のような尻に歯を立ててから弄ってきた穴に舌をねじ込むとエドが驚いて腰を浮かす。

「や、や…やだっ」

腿をきつく掴んで抑えて、構わず舌と指先でべとべとに濡らしながら突っ込んで弄りまくる。そのうち大人しくなってきたので、指二本を残したまま顔を離した。

「せんせ、いじ、わる」

「意地の悪い事は何もしていないなあ。エド。こっちを見なさい」

上気して泣きそうに目を潤ませたエドが、言われるままこちらを見た。見せ付けるようにペニスを口に含む。

「…っ!!!。ふ、ふは、あ…っ」

「エドはしっかり男なんだがなあ。可愛いから構いたくなる。他の男にこんな事させるなよ」

「ない。し、ない。や、…あ、」

舐めたり甘噛みしたり、唇で扱いてやると限界なのか漏れて来る。指で散々弄ったアナルも柔らかくなって、挿れたい衝動にかられるが、あくまでも今日は我慢。エドがぶんぶんと頭を振って、逃れようと体をねじる。逃すわけがないだろう?こんな状態で。

「あ、ああ……っ!!!」


細い腰が跳ねて、口の中でペニスがびくびくと脈打つ。広がる青臭さを飲み込んで、口元を拭う。ひくひくと動く穴がいやらしくて、惜しいと思いながら指をゆっくり抜いた。

「さ、今日は少しは満足したか?」

エドは薄い胸を上下させながら、寝転がったまま放心状態でこちらを見つめている。今更ながら思うのだが、靴下を脱がしていなかった。肌蹴たシャツと靴下って悪くないなあ。いいことばかりで俺も下半身に血が集まり過ぎていて、そろそろ開放したい。そう思ってベルトに手をかけた。
エドがのろのろと体を起こして、ベルトをはずしチャックを下げる手を凝視する。ズボンをずり下げて目の前に出してやると、まだ幼いながらもエドの表情はすっかり雄のそれだ。迷わず白い手を取り俺のモノに触らせる。エドの顔は長い前髪でよく見えなかったが、口端が引かれて薄く笑ったのが見えた。

「は。あ。っは」

自分がされている訳でもないのに、俺のペニスを両手で不器用に扱きながらエドが甘く息を漏らす。ちらりと上目遣いに了承を求めてきたので。やんわりと遮って顔を上げさせる。

「まだだね。そんなに幾つも一度にあげられない」

情欲にすっかり飲まれ、舐めたい。と顔に書いてある。男の本能だろう。される一方よりもしている時の方がいい顔をする。
膝立ちに抱きついてくると、俺のペニスが擦れるように体をいやらしく擦り付けてくる。方法を知らないと、こんな事まで考えるのか。可愛くて、愛しくて、すっかり俺の方が溺れている。
エドの手を一緒に握って、更に射精を促す。興奮も刺激も今夜は充分に貰った。俺が薄く漏らした吐息にエドがたまらないといった表情を浮かべた。もうそんな事でも興奮が上がる。

「………っく」

どくん。と脈打って、そのまま精液をエドの体に全てかける。胸から腹を鈍く伝うそれを、エドは細い指先で救って舐め、満足げに笑った。








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「泊まっていけばいいのに」

「明日も同じシャツで出る訳にいかないよ」

「じゃあシャワーだけでも浴びていけばいいのに」

「終電に間に合わなくなる」

濡れタオルを作って、エドの体を丁寧に拭いてやる。ついでに自分の体も拭いて、簡単に事後処理を済ませた事が気に入らないのだろう。不満げにしている。

「送ってくれなくていいよ。時間も遅い」

「ぜって行く。先生一人だと夜道は危険すぎる。あんた必ず襲われる」

ネクタイを結ぶ横で、エドはさっき脱がされた服を着て自分も出かける用意をしている。それを言うならお前がそうだよと思ったが、話が長くなりそうなので止めた。
淫行の名残も無く、再来週はいつ来ようとか普通に話しながら外に出た。

「あのさあ。テスト終わったらさあ。先生の家遊びに行っちゃだめかなあ」

「まあ、掃除できたら呼んでやるよ」

「俺、気にしないけど」


「俺が気にするよ」

エドはあからさまに何か物足りない様子で落ち着かない。最後別れ際に濃厚なキスでもしてやれば安心してそれなりに満足はするのだろうけど。餌はあげ過ぎないのがいい。少し空腹なくらいが主導権を握れる。

「またカラオケ行こうな」

「先生、歌わないじゃん」

「歌わなくても楽しいだろ?カラオケ」

「…もっと、ゆっくりできるとこが、いい」

「あまりがっつくな」

可愛い生徒は教え甲斐もあるが、可愛すぎるのはちょっと困る。次の授業の前は抜いて行った方がいいのか溜めていったほうがいいのか、心底迷うところ。駅までの道のりは、何故だかいつもより短い気がしてならなかった。









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家庭教師マスタング(機動戦士がんがむと同じ韻で発音希望)一旦終了。
ぬるえろですいません。




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