七匹目 B


B、そのまま快楽に負けて、自分からズボンの金具を外した。


 俺が金具を外す様子を、大佐が体を離してじっと見詰める。上着を捲くり、チャックを下ろしてズボンと下着を少し押し下げる。窮屈な下半身が少し楽になった。こっちは期待しちまうけど、こんな事で大佐が誘惑されてくれるかはわからない。
「なあ、どうする?」
 問いかけに、大佐はうっとりとした表情で俺の腹を舐める。そして、上手に下を脱がすと俺の脚をぐっと上に広げる。明るい室内で、ソファーに座る格好で膝を立てて大きく脚を開く。全部が丸見えで死ぬほど恥ずかしいが、もう、中心はすっかり立ち上がっていて我慢が出来ない。
「…っは…」
 大佐の熱い舌が、俺のペニスを舐める。掌で触りながら丁寧に何度も舐め上げる。片手で扱きながらも、腿とか付け根とか袋とか色んなところを舐めまくる。
「たいさ、だめ、そこ」
 体を少し倒され、指が穴を押し開くように添えらる。舌先が中に入るんじゃないかってぐらいに、ぐりぐり強く舐められる。なんだかもう、驚きよりも何をされても恥ずかしくて、すごく気持ちいい。
 扱かれるのも気持ちいいけど、こっちは舐めないのかな。そう思ってたら、目の前でぱくりと口に含んだ。
「あ、あ…」
 唇が器用に幹を扱く。先っぽを嬲るように舐められ、刺激に上擦った声が漏れる。頭に手を伸ばして掴むけど、耳が気になって強くは握れない。目の前で大佐が俺のペニスをしゃぶっている。ちゅぱ。とかぴちゃ。とか、水音が聞こえて、興奮が止まらない。
「え、あ!?」
 大佐の指先が、にじにじと穴の中に入ってくる。唾液で滑りが良くなったのだろうか。中で押し広げるように慣らしながら、中指の一本分が根元まで押し込まれる。痛くはないけど苦しくて、力を抜いて浅い息を繰り返す。こんな所に、どうして指なんか入れるんだろう。
 でもそのうち、中でゆっくり動く刺激も気持ちよくなってきて、前を舐める刺激と併せてとんでもなく大きな快感になってきた。大きく脚を開いて、大佐にこんな事をされているなんて。しかも真っ昼間から。こんなこと、癖になったらどうしよう。
「あ、あ、あ、…たいさ、だめ、でそ……っ!」
 がくがくと体が震えて、そのまま出してしまった。指が引き抜かれる刺激に、また震える。大佐は途中で口を離したらしく、手とか口元に俺の精液が飛んでいる。
「うわ、そのまま動くな!今何か拭けるものを…」
そう言って体を起こす俺の目の前で、大佐は目を細め薄く笑みを浮かべて、ゆっくりと舌先で舐め取る。妖しく色っぽいその表情に、また背筋がぞくりとした。
 とりあえずそこで止めさせて、俺はさっさと服を着直した。アルが帰ってきちまうと大変だ。お湯で絞ったタオルを作って、大佐の手とか顔とかを丁寧に拭く。
「悪いが、自分のは自分でどうにかしてくれ。そろそろアルが帰ってくるんだ」
 大佐は至って普通にしていて、ちょっと拍子抜けする。ほんとに、何考えてんだろうなあ。そっと、大佐の人間の耳の方に口を寄せる。
「でも、夜なら、俺が大佐にしてあげてもいいよ。だから昼間はおとなしくしててくれ。…絶対に内緒だぞ?」
 大佐の猫耳がぴんとこっちを向いた。尻尾が左右に揺れているので、嬉しいんだと思う。色々間違っている気もするけど、当分やめられそうにない。
 早く夜にならないかなと、俺は窓から差し込む明るい光を睨んだ。
 

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