日記小話
飴玉の唄
駄目な大人・マスタング←←←←←←←←←←健気な兄さん。
「鋼のはそんなに私が好きか」
「うん」
余りにも熱心に私の事を好きだと言うので、直球で聞いてみれば即答された。
「もし、私に既に婚約者がいて、それを隠して君と遊びで付き合うような男だったらどうする」
子供の純粋さに苛立ち、大人は意地悪にもこんな問いを投げかける。
それでも子供は
「多分…気付かないと思う」
意地悪な問いに薄く困惑しながらも、声に迷い無く返してくる。
「気付かない?あからさまな嘘でも?」
「気付けないんじゃないかな。俺はあんたを信じると思う」
「私は君を信じていないかもしれないのに、か」
「それでも、信じると思う」
「裏切られてもか」
「俺は気付かないから裏切られてないよ。大佐も裏切られない。俺がずっと信じてるから」
鋼のは私を真っ直ぐ見据えてそう答え切って、微かに笑った。とても優しい表情だった。
私は苛立ちと大人気なさの羞恥に心の中がちりりと痛んだ。耐えるように、ポケットの中で密かに掌を握り締めた。強く握った掌に爪が食い込んでも、開く事が出来なかった。
ああ。だから私は君の事が嫌いなんだ。
ばんぷの飴玉の唄を聞く度こういう妄想に駆られてます。
そして星の鳥を何度も読んで何度も泣く(T_T)。
2010/10/13移動
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