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○謹賀新年…104810

謹賀新年


人がごった返して蟻の巣のようになった境内で、はぐれることだけはないようにとしっかり手を絡める。
人間の熱気で生暖かになった空気中を冷たい風が吹き抜けて、二人の体温をさらってゆく。
窮屈で嫌になるけれど、1年に一度くらいなら…二人でいるのなら苦にならない。
「今年もあとちょっとだな」
「だな。色々あったよなあ」
息は真っ白で、綿菓子のように広がっては消えていった。
「…ヨハン」
「何?」
振り返りざま、にっこり笑った十代と今年初めての口づけ。
「明けましておめでとう」
「おめでとう」
「今年もよろしく」
「よろしく」
挨拶もそこそこに出来るだけさっさとお参りをすませて人混みから抜けた。
砂利を踏みしめながら夜空を見上げる。
「おみくじは?」
「また今度にしようぜ。人多すぎてキツい」
「よっしゃ早く帰って初デュエルだ!」


今年も十代やみんなと一緒に楽しく過ごせますように。
今年こそはヨハンと結婚できますように!

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