死神姫の気紛れ生活 1番目 ガタンという音と共に扉が開く。 そこにはむさい男どころか人っ子一人居なかった。 私が気にせず歩いて行くと豆がプレートを渡してきた。 「あら、やっぱり1番?嫌だわ、暇じゃない。」 「お早いですね、ミリアさん。」 「ええ、貴方たしか……豆だったかしら?」 「Σなっ!?マーメンです!豆じゃないですよ!!」 ちょっとした冗談のつもりだったのに半泣きで訴えてくるマーメンに笑えた。 暫くからかった後、飽きてきたのでその場を離れた。 「一次試験、この様子だとマラソンってとこかしら? あまり無駄に走りたくないですし、スケートでも履こうかしら?」 暫く考えこんだ後、歪ナ空間-ユガミ-を開き中からブーツ型のローラースケートを取り出した。 ローラーを出し入れ出来るタイプで、普通の靴にもなるしスケートにもなるという優れもの。 超軽量なので、殆ど重さを感じない。 さっと履き替えて歪ナ空間-ユガミ-を閉じた。 「具合も良いですし、これで大丈夫ですわね。」 爪先をトントンと叩き、ローラーの出し入れをして調子を確かめるとローラーをしまって落ち着いた。 「ふわっ、何だか眠くなってきましたわね。まだ開始まで時間ありそうですから、少し休みましょうか。 デス、何かあったら起こして下さいね。」 デスが僅かに頷いたのを凝で確認すると、壁に背を預け小さく丸まって眠りについた。 「寝る子は……育ち、ますわ……ムニャ」 [*前へ][次へ#] [戻る] |