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むかし、賢者と呼ばれた男がいた。

しかし、男は自らを、賢者ではないと考えていた。

賢者と呼ばれる己は、賢者ではない。
自己の肯定なくして己が何者であるかなど、さだまるものではない。

そう考えた男は、旅に出ることにした。

旅に出た男は、行く先々で奇妙な出逢いを繰り返していく。

やがて、己が賢者と呼ばれるその訳を、男は、その奇妙な出逢いから知ることになった。


…これは、むかしむかしのお話。

あるひとりの男が、旅をする、お話。



はじまり:旅立ち
傲慢な男のはなし
怠惰な少年と色欲の少年のはなし 前
怠惰な少年と色欲の少年のはなし 後
暴食な男と憤怒する青年のはなし 前
暴食な男と憤怒する青年のはなし 後
強欲な男のはなし
嫉妬する男のはなし



本当にあったお話かって?

さぁね。

それは、わからないなぁ。



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