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First come, first served(臨→帝←正前提の臨帝)



午後の授業もすべて終わり、部活を勤しむ人達は教室から足早に去って行き、その他の人はすれ違う友達と廊下で軽い挨拶をしている

そして俺は目の前にある扉をおもいっきり開いた


「俺のマイハニー帝人&杏里!白馬に乗った王子様こそ紀田正臣が迎えにきたぞ!」「………」


いまだ帰りのHR真っ最中のその教室のドアを








「もう!本当にありえない!」
「ビッグな俺ならこそのタイミングだっただろ?」
「空気を読め」


サンシャイン通りを帝人と二人で歩きながら先程の出来事について話していた
相当帝人は恥ずかしかったらしく今だに横でグチグチ言っている
ちなみに杏里は用事があるらしく今日の帰りは別々だ


「まぁクラスの奴らに俺の帝人なんだぜって証明出来たんだから喜べよな〜」
「どこに喜ぶ要素があるのか分からない」
「そんなツンツンしたってかわいいだけだぞ」


そう言うと帝人は絶対零度の目で俺を見てくる

あぁ!視線が痛いっ!
けどそんな事もう慣れっこだぜ!

正臣は帝人の肩に手を置き、反対側の手で遠くの方を指差しながら大声で言う


「さぁマイハニー帝人!どこにデートに行きたいのかな」
「普通に家に帰りたい」
「じゃ俺の家においでよ、帝人くん」
「へ?」


帝人の方、つまり俺の反対側から大っ嫌いなあの人の声
もちろんそこにいたのは


「やぁ、久しぶりだね帝人くん。そして紀田正臣くん」
「臨也さん」


新宿の情報屋、折原臨也
本当に神出鬼没な人だな、この人


「なんか用っすか、臨也さん?」
「たまたま通りがかったから声をかけただけさ、帝人くんにね」


ふっと鼻で笑いながら見下してくる臨也に対して正臣は頬を引き攣らせる

この野郎、喧嘩売ってんのか
成長期なめんなよ!

そんな正臣を無視しながら臨也は帝人に抱き着く


「あ〜、久しぶりの帝人くん最高だよ!」
「さらりとセクハラ発言しないで下さい、うざいです」
「何々、もっと触って下さいって?全くしょうがないなぁ帝人くんは」
「遂に日本語まで分からなくなりましたか。一遍死んでみたらどうですか?」
「ははは!人間は一回死んだらそこで終わりだよ。まぁ俺はまだ死ぬ気なんてさらさらないけど」
「早くその時が来ればいいのに」



うわぁ、ある意味会話成立してねぇ
それに帝人、その笑顔怖ぇよ


「早く離れて下さい。それに昨日も会ったのに久しぶりとか貴方の頭どうなってるんですか?」
「……は?昨日も会ったってどういう事だ?」


確か昨日は用事があるから真っすぐ家に帰るとか言ってたはず
もしかして、用事って臨也さんと……


「たまたま家の前で会っただけでしょ」
「毎日毎日家の前にいるのはおかしいんじゃないですか」
「すごい偶然だよね〜」


うん、違うらしいな
けどちょっと待て。今の発言はスルーできねぇぞ


「それストーカーじゃないっすか」
「失礼だね、まったく。忠犬の君に言われたくないな」
「ストーカーのあんたに言われたくないですけどね」


いまだに帝人に抱き着いている臨也さんを睨みつける
対する臨也さんはさっきと変わらず笑ってはいるが全く目が笑っていない


「君ごときがなんで帝人くんと一緒にいるのか分からないな」
「俺達親友ですし。それに同い年の同じ学校なんですよ永遠の21歳さん?」
「君達子供はなにかとあると友達や親友って使うよね。まぁ親友以上には進めないんだろうね、餓鬼だから」
「あんたは所詮知り合いの人ですもんね。羨ましいんですか?」


バチバチという効果音が合う勢いで言い合う二人
知らないうちに臨也の腕の中から抜けだしていた帝人はハァっと溜め息をついた後、早く終わらないかなぁと呟いていた


「君のは所詮子供の愛さ!大人の愛なんて分かりもしないんだろうね」
「もうあんたは学生の恋愛が楽しめないですからね!何が起きるか分からない俺達の恋愛よりありきたりな大人な恋愛なんてつまらないもんじゃないんですか?」
「本当に生意気だよね、君」
「生意気で結構。それに俺ら今放課後デート楽しんでるとこなんですよ。ラブラブなんで邪魔しないでくれません?」


ヒートアップし続ける言い合いは止まるこがない
少し優勢の位置にいる正臣に対して臨也は笑顔を崩し、小さく舌打ちした
そんな臨也にふと帝人が視線に入る
臨也は何を思ったかニヤリと少しだけ口角をあげた
そして再び顔に笑顔を貼り付けた後、正臣に話しかけた


「紀田正臣くん」
「……なんすか?」
「君が馬鹿にした大人の愛の一例を見せてあげるよ」


そう言うや否や、臨也は少し離れていた帝人に近付き抱きあげた
俗にいうお姫様だっこである


「ふへっ!?」
「帝人!」
「自称帝人くんとラブラブな君から帝人くんを奪ってあげるよ」


臨也は一歩後ろに下がりながら、帝人のおでこにキスをした



「強奪愛、大人の愛一つさ!」






First come, first served
(早い者勝ち)
あいつは不敵に微笑んだ




由羽様リクの『正帝臨で臨帝オチ』でした!
なんか微妙な終わり方ですみません

ちなみに帝人は臨也にお持ち帰りされちゃいました
正臣はさっきの臨也を見てむかつくけどカッコよかった...!!!とか言ってるんです、きっと。

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あきゅろす。
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