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1ゲーム《前半》(骸ツナ)




1ゲーム





――現在の時刻、11時18分
その時綱吉は走っていた
恋人が待っているであろう、駅前に向かって


寝坊とか最悪
昨日リボーンと夜遅くまで勉強してたからだよな
いや、本当の事を言うと久しぶりの、で、デートで緊張してたからだけど...


そんな事を考えていると、目の前に変わった髪型をした男が見えた
そう、綱吉の恋人である六道骸である



「ご、ごめん!遅れて!」
「クフフ、大丈夫ですよ。さぁ行きましょうか」
「…うん!」



骸は綱吉の手を繋ぎ、歩きはじめた
俺はそっと骸の顔を見る
今日の骸はいつもと違い、眼鏡をかけていていつもより更にかっこよく見えた
まぁパイナポーヘアーはいつもと変わらないが

でもイケメンは何でも似合うっていうのは本当なんだな

綱吉は母の遺伝子を確かに受け継いでいり自分の童顔をひそかに恨んだ




「綱吉君、聞いてます」
「はぃいぃぃっ!!」
「何ボーッとしてるんですか」
「あー、えっと…」
「???」



あなたの顔に見とれてましたなんて言えるか!!!!
いったい俺はいつこんな乙女になったんだよ…



「で、どうします?」
「何が?」
「どこか行きたい場所ありますか?」
「特にないかなぁ」
「まぁ君は僕と一緒だったら、どこでもいいですよね」
「うるさい、糞パイン」




反抗しないと言うことは図星じゃないですか、っとニヤニヤしながら言う骸
その顔はかなりムカつくが、その通りですよ〜何か悪いですかー



「機嫌直して下さいよ」
「別に悪くしてないし〜」
「……ボーリング行きませんか?」
「ボーリング?」
「もしかして貴方ボーリング知らないんですか?」
「知ってるよ!!!」
「クフフ、嘘ですよ」
「でも何でボーリング?」
「千種から1ゲーム無料券貰った(奪った)んですよ」
「じゃあそれで決定!!」



そして俺達は仲良く手を繋ぎながらボーリングセンターに向かって歩いて行くのだった










 
――並盛ボーリング場



今日は休日なだけあって家族づれやカップルなどがたくさんいる
雲雀さんがいたら『群れすぎ』とか言ってそうだなぁ
………うん、絶対会いたくない




「いらっしゃいませ!2名様ですね。何ゲームにいたしますか?」


ニコニコっと営業スマイルをしたかわいらしいお姉さんが受付をしていた
どちらかというとイケメンの分類であろう骸を見て少しだけ顔を赤くしている


一方骸はそんなのを気にもせず千種さんから貰った無料券をカウンターの上に出した



「この券使えますか?」
「あ、はい!ご使用できますよ。こちらでよろしいですか?」
「お願いします」
「では、こちらで。ただいま空いているのが25番レーンだけなのですが、そこでよろしいですか?」



カウンターの上にレーンの配置場所を簡単に描いたものがあった
25番レーンは一番はじっこらしい



「では、そこで」
「ありがとうございます。靴とボールはあちらからお取り下さい」
「じゃあ、行きますか」
「うん!!」



骸と綱吉は靴とボールを持って、25番レーンのイスに隣同士で座った






「ボーリング久しぶりだなぁ」
「そうなんですか?僕、ボーリング初めてなんですよね」
「マジで!なんか以外...」
「だってボールで棒倒して何が楽しいんですか」
「お前ボーリング好きな人に怒られるぞ」


というか今から俺達はそれをやるんだぞっとツッコんでやりたかったが、胸の内に仕舞っておく



「まぁそんなことはどうでもいいですし、さっそく始めましょうか」
「なんか矛盾してるぞお前…、まぁ絶対に負けないからな!!」
「クフフ、僕も負けませんよ。けど綱吉くん、普通にゲームしてもつまらないですしストライク一回につき、何か一つ願いを叶えるなんてどうです?」
「楽しそう!やろうやろう!!!」



その時綱吉は気づかなかった
骸がうっすらと笑っていたことを……




一方そんな事などまったく気付いていない綱吉は何にしようか悩んでいた
ストライクなんて滅多にとれないからなぁ〜
何にしよう、ジュース?漫画?CD?
うーんいろいろありすぎて悩む



「僕は決まりましたよ」
「何にしたの?」
「綱吉くんが言ったら言いますよ」
「なんだよそれ。うーん、じゃあ俺がストライクとったら1週間俺の宿題をやって!」
「いいですよ」



よしっ!これで宿題という名の呪縛から少しは解放される…!!
少しでも自由になれる…!!

綱吉の脳内からあの最凶の家庭教師様の存在は100%忘れられているのでした




「で、骸は何にするんだよ?」
「僕はですね、ストライクとるごとに綱吉くんからキスして下さい」







………………はい?
今なんて言いましたか、このパイナポーは?
「い、今なんて……」
「ですから、綱吉くんからキスして下さいって言ったんです」
「むむむ無理!!絶対無理!!」
「そんな断固拒否しなくても…。いいじゃないですか、僕たち付き合ってるんですし」


だ、だって自分からキスなんて出来ないよ!!!
そりゃあ俺たちキスだってしたし、あの...え、えっちな事だってしたけど、でもキスとかいつも骸からだから俺からした事は一回も無い
だって恥ずかしいし..


「お願いしますよ」


そんな子犬のような瞳で見るな!!
でも骸、ボーリングするの初めてだからストライクとれるとは限らないし……


「………分かった」
「クフフ、じゃあ始めますか」


そして俺たちはボーリングを始めたのだった











後半に続く

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