おもいびと
◆懺悔1
分かっていても、どうしてもその手を離せなかった
ぎゅっと握りしめる成長した手が、快感を伝える
おれはベッドで陸を抱いた
陸の純粋さにつけこんで
追い詰めないように
自慰の延長と思わせて抱くのは意外と簡単だった
繰り返す行為はおれたちを溺れさせて
罪悪感だけが強烈に残ると予想していたのに
抱かれて
愛されて
放出した後に残ったのは
例えようのない快楽の余韻と
愛しさに満たされたおれの想い
そして
涙目でおれに笑顔を向ける
大きく育った陸の依存心だった
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