おもいびと
◇断罪5
いつも背中から抱きしめて、囁きとキスをくれた海斗は。
今は、おれの頭上で、快感に喘ぐ声を圧し殺して。
時には睫毛に涙を滲ませながら。
抗う事を諦めたように、おれの舌の上に欲を放つ。
おれが望むように。
おれに誘われるまま。
おれに導かれて。
今の関係は、昔と逆転している。
でも、それでもよかった。
熱を感じていられるから。
吐息と
鼓動
生きて
そばにいる証があった
なのに
夏休みに入ってから
突然
海斗はいなくなってしまった。
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