おもいびと
◆原罪8
────コクン
と、喉を上下させて、おれが放った熱い粘りを、ミルクを飲む赤ん坊みたいに次々に飲み下す。
おれの脈動するペニスを銜えたまま。
舌を搦めて吸い上げ、拭うように。
ひと滴も雫す事なく、綺麗に舐め取って。
おれを離した口元は、何事もなかったように閉じられた。
ただ、紅く色づいた唇が妙に艶かしくて。
驚くおれを見上げて、しばらく放心していた陸は。
涙に濡れた顔で嬉しそうに目を細めて、恥じらいを見せる。
上気して赤くなった幼い表情の下で。
多分、おれとほぼ同時に吐き出したであろう、白い粘りにまみれた片手で自分のペニスを押さえながら。
陸はおれの動揺を察して、艶然と笑って見せた。
堕ちる覚悟が出来たか?
そう問われているような錯覚に囚われる。
慣れた手つきで汚れを拭って。
立ち上がっておれにキスをした。
陸に抱きしめられて。
おれが放った欲の味を、間接的に味わわされて。
キツイ匂いに目眩がした。
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