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おもいびと
◆僕らのキセキ6





弟と入浴中。

おれが自分の性器を洗っていると、弟はそれを覗き込むようになっていた。

特別恥ずかしい事でもなくて、父から教えられた事を実践していただけだったが。

弟はそれを 知らなかったみたいで、おれの性器を穴が空くほど近くでガン見した。

「海斗の……おれとは違う。父さんみたいだ」

弟は驚いて呟いた。

父はどうやらまだ弟には教えていなかったらしくて、自分のミノムシみたいな先端の皮を引っ張って悩んでいた。

「そろそろおまえも皮をむいて中まで洗ってみろよ」

「むくの?」

「うん……こうやって……」

おれが弟の小さな性器を摘まんで、皮を下に押し下げると、先端だけが顔を出して、それだけで痛がった。

自分の経験もあるから分かるけど、一度しっかり皮を下げてやったほうがいい。

痛いのはホンの最初だけ。

真性じゃなかったら……のハナシだけど。


弟は我慢しておれに任せて。
そして赤く小さな亀頭が初めて顔を出した瞬間。
弟は「あっ!?」と、短く声を洩らしてから、弟の股間を覗き込むおれの肩に抱きついてきた。

なんだか、もやもやしたものが腹の中を渦巻いて、おれはしばらく薔薇色の小さな先端を茫然と眺めていた覚えがある。

「おしっこするたびに必ずむいてしろよ。そうやって何回もむいてたら、すぐになれて痛くなくなるから」

「うん」

辛さと恥ずかしさが混在した複雑な表情を見せる弟には、すでに人を惹き付ける何かが備わっていて。


おれはこの時、絶対にコイツは誰にも触らせねーとか誓って。
義務感に駆られていた。



何から守ろうとしていたのかも分からないくせに、そんな風に自身に課していた。



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あきゅろす。
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