おもいびと
◆渇望18
その日から、おれたちはふたりだけの時間を過ごす事が多くなった。
一緒に風呂に入った時に、もう一度陸に教えた。
陸は、自分自身に触れるのを極端に嫌がっていた。
ただ頑なに拒絶する理由を問い詰めると。
自分が汚い行為をする事を認めたくない………と沈んだ様子で答えた。
おれは、そんな考えを改めるように、陸を導いた。
当たり前の行為を、当たり前にするだけだ。
それが出来なければ、大人にはなれない。
おれたちは、いつまでも子供のままではいられないんだ。
陸は、何かから解放されたような表情を見せてから。
はにかんだような笑顔を見せた。
実際、自分で触れて自分で昇り詰めるようになるまで、一度は掴んだ感覚だから、それほど時間はかからなかった。
ガキの頃みたいに、背中から誘導して快楽に導く。
それは、おれにとっては最も興奮する行為で、休みの間ずっとおれはその行為に溺れていた。
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